東京都八王子市「高尾山さる園・野草園」の先代ボスザル、「ネッシン」さん。目が見えなくなってもなお、よその赤ちゃんを身を挺して守ったエピソードは、いまも多くのファンの中にあります。そんなネッシンさんの生涯を振り返る動画が、同園の公式YouTubeで公開されています。今回は、その動画をもとに、ネッシンさんという一頭のサルを振り返りたいと思います。
27歳ごろのネッシン、力強いジャンプを見せていたころ
動画には、サル山で力強くジャンプする2023年ごろのネッシンさんの姿が収められていました。サルとしては超高齢の27歳ごろの映像ですが、まだまだ力強かったようすが伝わってきます。

同園によればサルの年齢を3倍にすると人間の年齢になるそうで、人でいえば80歳ぐらいだったネッシンさん。おじいさんになっても、元気いっぱいだったのでしょう。
大人からも、赤ちゃんからも愛された存在
ネッシンさんが愛されていたのは、同世代のサルたちからだけではありません。ネッシンさんがメスの中で1番好きだった「テント」さんが、一時期よその赤ちゃんを連れてくることがブームになっていたころも、ネッシンさんはテントさんが連れてきた赤ちゃんを、温かく見守っていたといいます。

また、テントさんの息子であるトップくんにも、ネッシンさんはとても懐かれていたそうです。
毎年、生後間もない赤ちゃんたちから好かれる存在だった、というエピソードからも、ネッシンさんの穏やかな人柄ならぬ「猿柄」がうかがえます。

好物はサツマイモにバナナ、そして野の花も食べる
ネッシンさんの好物は、サツマイモやバナナ。それだけでなく、ハルジオンの花も好んで食べていたそうです。

お花と一緒のネッシンさん、とってもかわいいですよね。
最後まで、変わらなかったこと
2025年2月13日、ネッシンさんが亡くなる約2週間前ごろのこと。いろいろなサルたちが、ネッシンさんのもとへ次々とあいさつにやってきていたそうです。「今思えば、お別れのあいさつに来ていたのかな」と、動画の中で飼育員は振り返っていました。

そしてネッシンさんは亡くなる2日前も、いつも通り飼育員におやつを催促していたといいます。最後まで、食欲旺盛だったそうです。
ネッシンさんが天国へと旅立ったのは、2025年2月27日。ボスの座に就いたまま、その生涯をまっとうしました。29歳9カ月の猿生のうち、実に22年間もの長きにわたり、ボスとして群れを守り続けたのです。

ファンから寄せられた、たくさんの声
この動画には、多くのファンから温かいコメントが寄せられています。
「ネッシンの食べる姿が大好きでした。またその姿が見れて嬉しいです」
「ケンカの仲裁をする勇敢な姿も、もいっこ頂戴のおねだりする可愛い姿も、赤ちゃん猿に次々好かれちゃう優しい姿も、やっぱり全部素敵ですね」
「ネッシンさんは、高尾山さる山で特別な存在だったので、永遠のリーダーとして忘れません」
「生前さる園を訪れた際、飼育員から『力が強かったり大柄なだけでは群れのボスにはなれない。信頼を集めたお猿さんがボスになれる』と伺ったのを思い出しました。ネッシンさんは、まさに信頼されたボスだったんですね」
「ネッシンとのお別れから1年が経ち、トロロ時代にも少しずつ慣れ始めて、ようやく一区切りがつけました。3頭が揃ってジャンプする姿が懐かしい。最期まで仲間たちに愛され信頼されていたね」
たくさんのサルだけでなく、来園者からも慕われ、愛されていたネッシンさん。いまでも天国から、高尾山さる園のサルたちを、温かく見守っているかもしれませんね。
■高尾山さる園・野草園公式YouTube:ネッシン一周忌思い出ムービー
ライターコメント
「力の強さや体の大きさだけでは、群れのボスにはなれない。仲間からの信頼を集めたサルだけが、その座につける」という飼育員さんの解説の通り、ネッシンさんは立派なボスでした。亡くなる直前まで変わらなかった食欲旺盛な姿も、最後まで「ネッシンさんらしさ」を貫いていたようで、胸が熱くなりました。
<ライタープロフィル>ゆんち
2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。
現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。
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