女優の見上愛さん(25)が一ノ瀬りん、上坂樹里さん(20)が大家直美というヒロインをそれぞれ演じるNHK連続テレビ小説『風、薫る』(月~土曜午前8時)の第53話が10日放送され、女郎の魚住セツ(村上穂乃佳さん)が語った「よっぽど、あんたに会いたかったんだね、おっかさん」という言葉に直美がこらえ切れずに涙をこぼすシーンに多くの視聴者がもらい泣きしました。また、りんに思いを寄せる「シマケン」こと島田健次郎(Aぇ! group・佐野晶哉さん)が、言葉が持つ影響力の重さに葛藤する姿も描かれ、Xではこの日、「シマケン」というワードがトレンド入りしました。
「夕顔」の続報が掲載
女郎の魚住セツ(村上穂乃佳さん)をモデルにシマケンが執筆した「夕顔」の続報が掲載されました。政府が名ばかりの「娼妓解放令」を出したため、女郎たちは、自分の意思で女郎を続けていると遊郭側が主張するようになり余計に苦しい立場に追いやられているという内容でした。
「槇村のくせに物書きみたいなことを言うな」と毒づくシマケン
友人の槇村太一(林裕太さん)に「女郎が売られた訳なら大抵は泣ける。夕顔は4人兄弟の長女にしてみた。ありもしない家族の話だ」と言い、自分が創作した話に複雑な思いをにじませるシマケン。太一は情に訴えた記事でよく書けているとフォローしますが、シマケンは「その女郎は、りんさんが看ている女郎とは別の人間」と吐露しました。
太一は腹がくくれないシマケンに、物書きなら自分が書いたものは自分で引き受けるしかないとして、「You are a loser」と活を入れました。それに対し、シマケンは「槇村のくせに物書きみたいなことを言うな」と毒づきました。
「誠実ではありませんでした」と詫びるシマケン
直美は、セツの頼みで記事を読み聞かせました。そんな中、突然、シマケンがりんを訪ね、セツのことを聞きました。りんは同情が増えてセツの待遇は少しだけよくなったと伝えました。シマケンは、セツに会わせてほしいと頼み、病室で初対面。記事を書いたことを謝り「会いもしないで書き連ねて…僕のしたことは誠実ではありませんでした」と詫びました。
セツはまったく気にしておらず「おたくが謝ってくれたところであたしは何も変わらない。このひどい世界は続いてく。でも、あの記事の中だけでも、一緒に死のうと思えるくらい好いた男と出会えたなら、少しは救われるってもんさ」と言いました。シマケンはその言葉が余計辛かったようで、「失礼しました」と言って深く頭を下げました。
「一生分大事にしてもらった」と感謝するセツ
その後、セツはだいぶ回復し、直美に「一生分大事にしてもらった」と感謝しました。直美は「大事にしたんじゃありません。これが看護なんです。私の仕事です。金持ちも貧乏も、男も女も病気やケガをしたら、当たり前に受けられる看護じゃなきゃおかしいと思います」と言いました。
するとセツは、かつて妊娠したことがあったが怖くて産めなかったと切り出し、涙をこらえながら、直美に「よっぽど、あんたに会いたかったんだね、おっかさん」と優しく語り掛けました。直美はセツの笑顔から目をそらし、涙をこぼしました。
SNSの反応
朝ドラ『風、薫る』の第53話の放送に対し、SNSでは登場人物たちの心の交流や成長に多くの反響が寄せられています。
■「一生分大事にしてもらった」心に寄り添う看護と不器用な愛に感動の嵐:セツの切なくも救いのあるセリフや、病気だけでなく傷ついた人生をも包み込む直美の看護婦としての真摯な姿勢に、多くの視聴者が涙しています。また、親友の槇村から「You are a loser」と一喝されたシマケンが、自身の過ちを猛省して誠実さを取り戻していく姿に安心したという声も多く、不器用ながらも互いを放っておけない二人の熱い友情関係を微笑ましく見守る声が大多数を占めました。
■会わずに書いた記事への謝罪と、言葉が持つ影響力の重さを巡る深い考察:本人に会わずに想像で記事を執筆したシマケンの行動には、「中途半端で不誠実」「謝って済む問題ではない」といった一部厳しい意見も上がっています。しかし、直接本人へ謝罪に出向いた行動は「表現者として成長する大切な一歩」と前向きに評価されました。記事が世論を動かしセツへの同情を集めた功績を認めつつも、言葉が独り歩きを始める怖さなど、メディアの責任についての鋭い分析や考察も目立っています。
ライターコメント
会いもせずに記事を書いたとして自分を責めるシマケンに対し、「あの記事の中だけでも好いた男と出会えたなら救われる」と微笑むセツの優しさが、逆に切なくて胸が締め付けられました。そして何より、直美の「これが看護なんです」という力強い言葉と、それに応えるようにセツが放った「よっぽど、あんたに会いたかったんだね、おっかさん」というセリフ。身寄りのないセツが最期に見出せたいくつもの「愛」と、それを受け取って涙を流す直美の姿に、不条理な世界の中で、人と人とが魂で触れ合った瞬間を確かに見届けた気がして、目頭が熱くなりました。
『風、薫る』過去記事
NHK朝ドラ『風、薫る』【第52話】「子を産めば帳消しなんてきれいごと」直美(上坂樹里)とセツ(村上穂乃佳)が過酷な身の上を語り合うシーンに涙






