女優の見上愛さん(25)が一ノ瀬りん、上坂樹里さん(20)が大家直美というヒロインをそれぞれ演じるNHK連続テレビ小説『風、薫る』(月~土曜午前8時)の第52話が9日放送され、自分の文章が人や社会を動かす責任と恐怖に直面し、葛藤する「シマケン」こと島田健次郎(Aぇ! group・佐野晶哉さん)に対し多くの視聴者がエールを送ったほか、直美と女郎・夕凪こと魚住セツ(村上穂乃佳さん)がお互いに過酷な身の上を語り合うシーンに涙しました。また、この日の放送では、明治時代の氷嚢も話題になり、Xでは「牛の膀胱」というワードがトレンド入りしました。
多くの新聞読者がセツに同情
シマケンが、女郎・夕凪の境遇を独断で新聞記事として掲載し、それによる影響を心配したりんの懸念に反して、多くの新聞読者がセツに同情の声を寄せました。
病室には花や菓子折りなどが続々と届くようになったが、世間から非難を浴びた女郎屋の主人・権田巳三郎(梅垣義明さん)が病室へ乗り込んできて、「休みは充分くれてやったはずだ」と言ってまだ体調の戻らないセツを強引に連れ戻そうとしました。
迫真の演技で権田を追い返す同期たち
必死に抵抗する直美に、同期の柳田しのぶ(木越明さん)や泉喜代(菊池亜希子さん)、玉田多江(生田絵梨花さん)、工藤トメ(原嶋凛さん)ら同期が白熱の演技で権田を追い返しました。
また、内科助教授の坂田幸作(金井勇太さん)も世間の流れに乗り、セツに高価な氷を出すことを許してくれました。珍しい氷に興味を示した同期たち。そんななか、多江だけは氷を入れる氷嚢に強い関心を示し、「この袋が氷嚢ね。牛の膀胱でできているという…」とポツリ。まじまじと氷嚢を見つめました。
自分たちの仕事はセツを回復させること
直美は、セツが退院しても再び遊郭に戻るしかないことを想像し、自分たちがやっていることは助けにはならないのではないかと戸惑いますが、りんはそれでも自分たちの仕事はセツを回復させることだと言い聞かせました。
セツは相変わらず生きることに後ろ向きでしたが、りんは脱水症を防ぐために辛抱強く水を勧めるなど、熱心な看病を続けました。
そっと拳を握るシマケン
一方、シマケンは新聞社の編集長・綿貫正平(小松和重さん)に呼び出され、記事の続報を書くよう求められていました。綿貫は「さすが小説家志望」とシマケンを持ち上げますが、りんから厳しいことを言われていただけに、シマケンの気は乗りません。綿貫は「社会に遊郭の歪さを訴えることが肝要だ。怖いのか?」と説得し、「いざ、自分の書いた文字で人が社会が動き出したら怖くなった。誠実な文学青年は。こんな記事1つ書けずに書けんのか? 小説が。お前って人間、さらけ出すんだろ?」と迫りました。シマケンはそっと拳を握りました。
心を開き始めるセツ
頑なだったセツが少しずつ心を開き始め、直美に労うような言葉をかけ始めます。氷嚢の氷を入れ替えながら、2人は互いの身の上を語り合いました。
直美は、自分の母も「夕凪」という女郎だったことを明かし、乳飲み子の頃に捨てられたことを説明。「会ってみたいか?」というセツに、「一遍生まれちゃったら、生まれる前に勝手に決まってた掟の中で生きてかなきゃなんない。みなしごは白い目で見られる。女がまともに働ける仕事はない。女の髪は長くなきゃおかしい」とし、「どんな親でも産んでくれたんだからありがたいと思えなんてきれいごと。子を産めばすべて帳消しなんて、とても私には…」と答えました。それに対しセツは、そんな直美に、たいていの女郎は子は産まないものだと教えました。
一方、その頃、シマケンは熱心に原稿用紙に向かって筆を動かしていました。
SNSの反応
朝ドラ「風、薫る」の第52話の放送に対し、SNSでは視聴者から多様な考察と感想が寄せられています。
■「当時では考えられない異例の決断!」夕凪への献身看護と高価な氷に感動の声:坂田先生が夕凪の看護に高価な氷の使用を許可したシーンでは、時代背景に関する深い考察が殺到しています。明治時代における氷の希少性を踏まえ、「女郎のために氷を使うのは当時の常識を覆す行動」と驚く声や、根気強く水を飲ませようと奔走する看護婦たちの熱心な姿勢への称賛が多く集まっています。
■「言葉が持つ影響力の怖さ」葛藤するシマケンへの温かいエールと厳しい指摘:自分の文章が人や社会を動かす責任と恐怖に直面し、揺れ動くシマケン。視聴者からは「凛々しい顔つきになった、頑張れ!」と彼の成長を応援する声や共感が多数上がる半面、「執筆の目的や確固たる軸がまだ見えない」といった的確な指摘も寄せられています。言葉の重みに葛藤する彼の今後の展開に、多くの関心が寄せられています。
ライターコメント
「女がまともに働ける仕事はない」という過酷な時代背景の中で、互いの壮絶な過去を打ち明け合い、少しずつ心を通わせていく直美とセツの姿が印象的な回でした。シマケンの熱い筆致が再び社会をどう動かしていくのか、そして看護婦たちの献身がセツの未来をどう切り開くのか。今後の展開からますます目が離せません!
『風、薫る』過去記事
NHK朝ドラ『風、薫る』【第51話】「助けたいんです!」激怒するりん(見上愛)と立ち尽くすシマケン(Aぇ! group・佐野晶哉)、良かれと思った独断記事が招いた残酷なすれ違い






