サル山の群れ入れを目指して奮闘している、千葉県の市川市動植物園のニホンザルのパンチくん。今年8月のお盆の時期、SNSでは「サル山でパンチくんがほかのサルにケガをさせられたようだ」という噂とともにケンカの一部を切り取った動画が流れ、一部のファンが不安になるという事態に発展しました。その後、同園では一時的に数頭のサルを隔離し、公式Xで丁寧に説明するという対応を行いました。この件について、対応に追われた同園の安永崇課長に、当時を振り返ってもらいました。
サル山の母ザルたちからの「教育」
まず、今回のパンチくんのケガの経緯について、安永課長はこう説明します。
安永課長:「パンチがメスのサルから怒られるというシーンは、これまでも度
そして、こう続けます。
安永課長:「8月の件も含めていずれの場合も、
パンチくんが受けた行動は、群れの中で子ザルを守ろうとする母ザ

かつて群れ入れを果たした、あるオスザルの話
一方で、コアなファンの間には、もう一つ気にかけられていたことがありました。市川市動植物園には以前、パンチくんと同じように人工哺育で育てられ、無事にサル山の群れ入れを果たしたオスのサルがいました。
ところが、成長してオスの成獣となった後、群れの中でのオス同士の争いに巻き込まれ、そのときのケガが元で命を落としてしまったという出来事があったのです。
この過去の出来事を知るファンの中には、パンチくんの今回のケガや隔離のニュースに触れ、「まさか同じようなことになってしまうのでは」と重ね合わせて心配する声があったようです。

「まったく別の話」だと知っていただけたら
しかし安永課長によれば、そのオスのサルが死んでしまった話とパンチくんのケガを結びつけて考えるのは無理がある、というのです。
安永課長:「過去に人工哺育からの群れ入れを果たし成獣になった後、ケンカ
かつてのオスザルが命を落とした背景にあったのは、成獣となったオス同士の、いわば群れの中の権力争いによるもの。一方、今回パンチくんが受けているのは、母ザルたちによる子ザルを守る行動です。年齢も、置かれている状況も異なるといいます。
同じ「人工哺育で育った個体」という共通点があるからこそ、ファンが当時の記憶を重ねてしまうのも無理はありません。それでも安永課長のこの説明は、心配してくれるファンへの、丁寧な答えだったように思います。

■市川市動植物園:公式サイト
ライターコメント
衝撃的な動画を見てしまうと誰でも焦ってしまいますが、長い長いサル山の一日のほんの一瞬のできごとを切り取ったものだということを心に留めておきたいと思います。パンチくんが今、どんな状況の中で育っているのかを正しく理解し、冷静に見守っていきたいですね。
<ライタープロフィル>ゆんち
2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。
現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。
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