女優の石橋静河さん(32)がヒロイン葉野珠を演じるNHK連続テレビ小説『ブラッサム』(月~金曜午前8時、土曜は1週間の振り返り)の第3回が30日に放送され、故郷・岩国を「逃げた」と語る85歳になった珠(加賀まりこさん)と、父・清治(渡部篤郎さん)のもとで暮らす10歳の珠(村上蘭さん)の姿を通して、作家・珠の原点が描かれました。その中で表現された清治の〝暴君〟ともいえる威圧的な振る舞いと、ふとした瞬間に漂わせる哀愁や複雑そうな人間性に視聴者の注目が集まり、Xではこの日も「ブラッサム」というワードがトレンド入りするなど大きな反響を呼んでいます。
『ブラッサム』作品概要(※敬称略)
「私はここから逃げた人間なの」と振り返る晩年の珠
85歳の珠(加賀さん)は取材を振り返り、岩国を自分の故郷だと言い切ったことに少し恥ずかしさを感じていました。珠の秘書・藤川優子(松たか子さん)はそれは間違いではないとフォローしますが、「でもね…逃げたのよ…私はここから逃げた人間なの」と自身の過去を振り返りました。
父親をテーマにした作文に苦戦する珠
明治41年。10歳の珠(村上さん)は父親をテーマにした作文の執筆に苦戦していました。
そんななか、清治のもとに本家から使いが来ました。清治の実家は岩国でも有数の造り酒屋で、清治は長男でしたが、家督を弟の清重(三浦誠己さん)に譲る代わりに毎月お金を受け取っていました。
「弟の分際で…」と冷笑する清治
使いの者は、「そろそろ落ち着いて働いてほしい」という本家の意向を伝えます。「いつまでも働かんもんが身内におっては葉野の名が廃ると」。それに対し清治は「弟の分際で…」と冷笑を浮かべ、「わかった。そろそろ腰を据えて話さなきゃいけんころかもしれんのう…。清重に伝え。あさっての昼、『さかえや』で一杯やろう」と返しました。
その晩、清治は酒3合とその肴を間違えずに買ってくるよう珠に命じました。珠の継母・リョウ(国仲涼子さん)は遅い時間だからと自分で行こうとしますが、清治は珠に行かせることにしました。
珠は、頼まれたものを道中、呪文のようにとなえ、煮売屋で言いつけられた品を注文しますが、店主は、小さい珠が買いに来たことで「親父がクズじゃと苦労するのう…」と本音を漏らします。珠は頼まれたものを間違えずに購入し、家に戻りました。
椀の中にはひよこ
約束の日、料亭で待つ清治のもとに、清重が足を引きずりながらやって来ました。
兄がやっと働く気になってくれたと清重は喜びましたが、清治に勧められて椀のふたを取ると、中からひよこが出てきました。
驚く清重を見た清治は「これが答えじゃ。意地でも働くか」と大笑い。「話が違う」という清重に「こっちのセリフじゃ!」と激怒し、「おやじに泣きついたんは誰なぁ? …ワシが身を引く代わりに、毎月金をよこす言うたんはお前じゃろう!お前のその足じゃあ、どっこも雇うてくれん。今のお前があるんは、ワシが身を引いたおかげじゃろうが!ワシぁ一生自由に暮らす。そう決めたんじゃ」と畳みかけました。
深夜、一人カナリアを見つめる清治
その夜。珠は相変わらず作文が書けずにいました。そして、うっかりうたた寝をしてしまい、遅くなって厠(トイレ)へ向かおうとしたとき、自分の部屋で鳥籠の中のカナリアを見つめている父の姿をふいに目撃します。
清治はカナリアに何かを語りかけているようでした。その様子が心に刺さった珠は部屋に戻って作文を書き始め、翌朝までに一気に書き上げました。
SNS、清治の描き方に驚きと不満の声も
『ブラッサム』の第3回の放送に対し、SNSでは、視聴者から様々な反応が寄せられています。
ライターコメント
お椀の中から生きたヒヨコが登場する前代未聞の展開には、思わずテレビの前で声を上げてしまいました。渡部篤郎さん演じる清治の冷酷さと孤独が入り混じったような底知れぬ佇まいはまさに圧巻の一言。月明かりの下でカナリアを見つめる姿には、言葉にできない哀愁が漂っていました。珠がこの「暴君」とも言える父親をどう捉え、どんな作文を一気に書き上げたのか。視聴者の心を揺さぶる美しい映像とともに、次回の放送が待ちきれません。






