アムールヤマネコの赤ちゃん=(東京動物園協会提供)

母の死を乗り越えて 井の頭自然文化園のアムールヤマネコの赤ちゃん3頭が人工哺育ですくすく成長中!

By - emogram編集部・ゆんち
アニマル

東京・武蔵野市にある井の頭自然文化園で、4月28日にアムールヤマネコの赤ちゃんが3頭誕生しました。喜ばしいニュースの一方で、出産直後にお母さんヤマネコが急死してしまうという悲しい出来事も。現在、残された3頭の赤ちゃんたちは、獣医師や飼育員による「人工哺育」で懸命に育てられています。悲しみを乗り越えて力強く成長する赤ちゃんたちの様子をお伝えします。

命がけの出産。お母さんヤマネコ「ミレ」との悲しい別れ

4月28日午後10時ごろ、アムールヤマネコの「ミレ」が出産を開始し、3頭の赤ちゃんが誕生しました。ミレは、希少動物の繁殖のため、2021年にソウル特別市から来園したお母さんヤマネコ。過去に2回、それぞれ4頭ずつ計8頭の赤ちゃんを産み、育て上げたベテランママでした。

園では母子を落ち着かせるため、直接の観察は避け、監視カメラで授乳の様子などを見守っていました。しかし5月2日の朝、飼育担当者が倒れているミレを発見。残念ながらその後、死亡が確認されました。

解剖の結果、出産時に何らかの理由で膀胱に圧力がかかり、損傷を受けてしまった可能性が高いとのこと。まさに、命がけで3つの新しい命をこの世に送り出してくれたのです。

飼育員がママの代わりに!すくすく育つ赤ちゃんたち

ミレが遺した3頭の赤ちゃんは現在、人工哺育で育てられています。公式Xでは、その成長の記録が発信されています。

公式Xより:「【生後6日目】動物病院でミルクを飲む様子が公開されました。この時期は、ミルクの時間以外は多くの時間を眠って過ごしているそうです。小さくて尊い命が、スタッフの手によって大切に守られています」

公式Xより:「【生後21日目】生後20日前後でパッチリと目が開いてきました!下あごには小さな犬歯が生えてきた子もいるそうです。3頭とも多少の成長差はあるものの、順調にすくすくと大きくなっています」

アムールヤマネコの赤ちゃん=(東京動物園協会提供)

希少な命を未来へ繋ぐ、動物園の取り組み

アムールヤマネコは、東南アジアなどに広く分布するベンガルヤマネコの亜種です。長崎県の対馬のみに生息する絶滅危惧種の「ツシマヤマネコ」も、実はこのアムールヤマネコに含まれます。

井の頭自然文化園では、環境省が取り組むツシマヤマネコの保護増殖事業に協力するため、2000年からアムールヤマネコの飼育を通じた繁殖技術の向上に取り組んできました。現在、国内の動物園等で飼育されているアムールヤマネコはわずか13頭(※2025年末時点)。そのうちの9頭が、ここ井の頭自然文化園で暮らしています。

赤ちゃんたちの一般公開の時期は、決まり次第公式サイトでお知らせされるとのこと。お母さんからの命のバトンを受け取った3頭の赤ちゃんたちが、これからも元気に育っていくよう、温かく見守っていきたいと思います。

ライターコメント

命がけで赤ちゃんを産んでくれたお母さんのミレ。残された赤ちゃんたちのことを思うと、涙が出ます。同時に、突然の事態にもかかわらず、昼夜を問わずミルクを与え、お母さんの代わりとなって赤ちゃんたちを育てている担当者には頭が下がる思いです。目が開き、小さな歯が生え…すくすくと育つ3頭の姿は希望です。

<ライタープロフィル>ゆんち

2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。

現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。

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