【逆境を楽しむということ】
節約生活を続ける中で日々考えていることは「どうしたらお金をかけずに家族で楽しく過ごせるか」ということ。
そう聞くと、ちょっと〝ケチ〟に思われるかもしれませんが、私の中には「お金をかけるところ/かけないところ」の線引きが、ちゃんとあります。
自分にできることは、工夫して全力で楽しみながら取り組む。
一方で「これは価値がある」と思えることには、しっかり計画を立ててお金を貯め、気持ちよく使う。
そんなふうに〝使うところ〟と〝使わないところ〟のメリハリをつけるのが「私のマイルール」です。
ないない尽くしで疲労困憊
この考え方は、はじめからあったわけではなく、息子がまだ小さかった頃の暮らしの中で、少しずつ身についてきたような気がします。
当時はちょうどコロナ禍で、家から出られない日々が続いていました。
さらに我が家には、今よりもずっとお金に余裕がなく、「外に出られない」「使えるお金もない」と、そんな〝ない〟ばかりに目を向けていると、気持ちが張り詰めたままで、疲れ果てていました。
そんな日々の繰り返しに疲れ切った時に、「〝ない〟ばかりを数えるのではなく、〝ある〟を探してみよう」と、ふと思い立ち「今、自分にあるもの」を探し始めました。
探し始めてみると、〝ない〟を〝ある〟に変えられることに気が付いて…。
「外に出られないということは、家にいられるということ」「使えるお金がないということは、家にあるものを生かせるということ」、そんな〝自分なりの気づき〟を見つけていくと、ぎゅっと詰まっていた気持ちもほぐれ、同時になんだかワクワクしてきて…。
今の自分が楽しんでできることを探す日々
それからは、今の自分が楽しんでできることを探す日々に変わっていきました。
当時、恐竜と新幹線にはまっていた息子をいかに喜ばせるかをテーマに、新聞紙で恐竜を作ったり、牛乳パックで新幹線を作ってみたり…。
家の中でも、お金がなくてもできる小さな〝楽しさ〟をたくさん見つけてきました。
息子の誕生日も、テーマは「いかに息子の目を輝かせられるか」というもの。
100均のフェルトを切ってランチョンマットを作ったり、箸袋、コップ、紙皿にも簡単な装飾をしたり。
息子の大好きをたくさん集めた恐竜誕生日は私にとっても、とても大切な思い出です。
振り返ってみると、あの時期は制限も多く不安も尽きない日々でした。
でも、だからこそ、限られた中でも〝あるもの〟を見つけていくことの大切さに気づけたのだと思います。
今ではむしろ、大切なことって、マイナスからこそ見えてくるものなのかもしれない…と感じています。
逆境の中にあっても「どうにかしたい」と手を動かし続けることが、私にとっての「楽しむ力」そのものなのかもしれません。
今回紹介したのはほんの一部です。
息子の誕生日には毎年テーマを決めて、おうちでできる工夫を積み重ねてきました。
次回はそんな「おうち誕生日」の記録を、振り返ってみたいと思います。
(不定期連載)
【プロフィル】memi
食費月2万円台でも毎日「おいしい!」と喜んでもらえる節約ワンプレートご飯を作っている3人家族の母。節約を〝我慢〟ではなく〝楽しむ工夫〟ととらえ、カフェ風の彩りあるごはんで心も満たされる食卓を日々考案、実践中。著書に『memiの1ヶ月食費2万円!節約ワンプレートごはん』をはじめとするシリーズ3冊の節約レシピ本がある。自身の経験をもとに、「今日できる小さな工夫」で節約生活を前向きに楽しむことを大切にしている。