マレーシアのボルネオ島で2月に保護された、推定生後3カ月のマレーグマの子「マンジャ」。発見時は深刻な栄養失調と脱水症状で命の火が消えかけていたマンジャですが、現地スタッフによる24時間体制のケアで、いま、驚くべき成長を見せています。
産毛から「マレーグマらしい」毛並みへ
保護直後はまだ産毛が目立ち、弱々しかったマンジャ。しかし、ボルネオマレーグマ保護センタージャパンから届いた最新の映像では、見違えるほど逞しくなっていました。
全身の毛もしっかりと生え揃い、体重も順調に増加しているとのこと。何より、かつてはふらついていた足取りが、今ではボルネオの深い森でも元気に歩けるように変わっています。インキュベーター(保育器)の中で生死をさまよっていた姿を知る人にとっては、奇跡のような回復ぶりです。
「代理母」スタッフと一緒にお散歩をするマンジャ🤭
現在の体重は2.7kg
少しゆっくりめですが、体重も確実に増え、とても活発になってきました! pic.twitter.com/ylHtr2HAAj— ボルネオマレーグマ保護センタージャパン (@BSBCC_Japan) March 26, 2026
代理母と歩む、野生へのリハビリ
現在、マンジャの「代理母」を務める現地スタッフとともに、森の中をお散歩するのが日課となっているようです。このお散歩は、地面の感触や植物のにおい、森の音などを五感で覚える、野生復帰に向けた重要なトレーニングです。
最近のマンジャは、特に「木」への興味があるようです。まだ自分の力で高い木に登ることはできませんが、枝や葉っぱに顔を近づけて前足で触れてみたり、口に入れてみたりという行動が増えているそうです。
「人馴れ」を防ぐ、プロの距離感
マンジャが活発になればなるほど、スタッフはさらに気を引き締めています。以前の記事でも触れた通り、マンジャと接触するのは3名の担当スタッフのみ。それ以外の人間を「警戒すべき存在」として認識させることで、いつか森へ帰った際、密猟者や人間に近づいて命を落とすリスクを最小限に抑えています。
スタッフは、マンジャを温かく守る「母」でありながら、同時にマンジャを野生へと突き放す「導き手」でもあります。この現地スタッフの尽力で、きょうもマンジャはすくすくと成長しています。
■ボルネオマレーグマ保護センタージャパン
公式X @BSBCC_Japan
ライターコメント
動画の中で、一生懸命に森の中をお散歩するマンジャ。「マンジャ」とは、マレー語で「甘えん坊」という意味だそうで、本当ならお母さんグマに甘えたかったはずの時間を、今は優しいスタッフが支えています。いつかマンジャが一人で木のてっぺんまで登り、スタッフを振り返ることなく森の奥へと消えていくその日まで、私たちは日本からこの小さな命を見守り続けたいと思います。
<ライタープロフィル>ゆんち
2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。
現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。






