千葉県にある市川市動植物園のパンチくんを語る上で欠かせないのが、サル山担当の2人の飼育員の存在です。昨年夏に育児放棄されたパンチくんを人工哺育で育て、同時にサル山のお世話もこなし、さらに今年2月にはパンチくんブームが起こるなど、まさに怒涛の1年だったのではないでしょうか。若い2人の飼育員ですが、安永課長が「パンチのメンタルの強さは、育ての親の2人に似たのだと思います」と語るほど頼もしい側面も。しかし、この過酷な状況でも2人が踏ん張れている理由は、約1年前に行われた市川市動植物園の「組織改編」にもあったようです。
2025年4月、市川市動植物園が「2トップ体制」へ
ここで一つの疑問が浮かびます。動物園のトップといえば「園長」という肩書が一般的ですが、なぜ安永さんは「課長」なのでしょうか。その理由には、組織の大きな変化がありました。
安永課長:「私自身、実は動物の専門家ではありません。市役所の事務職員と
世間の一般的なイメージからすれば、動物園のトップは動物の生態
安永課長:「2025年4月から動植物園は『動植物園課』という組織になり
動物の世話「以外」を担う課長と、現場に寄り添う管理長
この改革により、市川市動植物園は「動物の飼育や管理」といった業務と、「組織の運営や広報」といった業務を分け、それぞれに責任者を置く体制に変わりました。
安永課長:「そこで私は、組織全体を見ながらSNSでの情報発信や報道対応、クラウドファンディングの運営などを担当しました。動物の世話『じゃない部分』の役割に専念できたわけです」
一方で、動植物管理長は飼育員出身でサル山の担当経験もあり、絶
安永課長:「2人とも若手ですから、近くにベテランの管理長が寄り添ってい

お互いの信頼関係が生んだ「パンチくんの奇跡」
この分業体制が、世界的なパンチくんブームの引き金となります。
安永課長:「パンチがこれだけ人気になったのは、まずは飼育の現場がパンチ
しかし、2トップ体制には責任の所在が分かりにくくなるなどの弊害もあり得ます。安永課長は、「とにかく管理長とちゃんと意思疎通・連携をしようとひたすら心がけてきた1年間だった」と振り返ります。
安永課長:「メリットを最大限発揮してデメリットを消す作業ですね。ツート
現場の飼育員と管理長が、日々のルーティンを大切に動物たちの
ライターコメント
「なぜ園長じゃないのか?」という素朴な疑問から、まさかこれほど深い組織論と、ブームの真の理由が見えてくるとは思いませんでした。若いサル山担当の2人の飼育員がパンチくんのケアや現場の仕事にめげることなく全力を注げるのも、現場を知り尽くした管理長が優しく寄り添い、安永課長が外部との対応や発信をしっかり引き受けているからこそ。市川市動植物園の本当の強さは、動物たちへの愛情はもちろん、この素晴らしい「チームワーク」にあるのでしょう。
<ライタープロフィル>ゆんち
2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。
現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。
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