市川市動植物園=(撮影:ゆんち)

心の盾だった「オランママ」を置いてサル山へ!市川市動植物園パンチくんのたくましい成長

By - emogram編集部・ゆんち
アニマル

千葉県の市川市動植物園で、サル山の群れ入りを目指して奮闘中のニホンザル「パンチくん」。彼を語る上で欠かせないのが、肌身離さず持ち歩いていたオランウータンのぬいぐるみ、通称「オランママ」の存在です。最近、サル山にオランママを持ち出さない日が増えてきたパンチくん。少し寂しく感じるファンも多いかもしれませんが、実はこれ、パンチくんが「立派なサル」へと階段を登っている何よりの証拠なのです。

母親代わりになった「オランママ」

ニホンザルの赤ちゃんは、生まれてすぐにお母さんザルのお腹にしっかりと抱きつき、そのまま2歳ごろまでお母さんのそばで育ちます。しかし、人工哺育で育ったパンチくんには、いつでもしがみつける「お母さん」がいませんでした。

YouTube市川市公式チャンネルより

担当の飼育員2人が母親代わりとなって愛情たっぷりに育ててきましたが、パンチくんが精神的な安心感を得るためには、いつでもギュッとしがみつける「何か」が必要でした。

そこで飼育員がいろいろなものを試した結果、パンチくんが一番気に入り、文字通り「母ザル代わり」となったのが、このオランウータンのぬいぐるみだったのです。

イケア・ジャパンの社長も来園!社会現象になったオランママ

実はこのオランママ、家具量販店大手「IKEA(イケア)」の商品です。 今年2月、パンチくんがSNSを通じて世界的な人気を集めると、彼が抱きしめているこのぬいぐるみにも注目が殺到しました。

さっそく、イケア・ジャパンのペトラ・ファーレ社長が市川市動植物園を訪れ、オランウータンをはじめとする同シリーズのぬいぐるみを「山盛り」にして寄付。サル山の前で記念撮影も行われ、心温まるニュースとして大きな話題を呼びました。

市川市の公式Xより

群れ入り挑戦を支えた「心の盾」

その後、パンチくんは本格的に群れ入りの挑戦をスタートします。 当初は、サル山に出る際も常にオランママを抱きしめ、肌身離さず持ち歩いていました。

少しだけぬいぐるみから離れてほかのサルとじゃれ合ってみるものの、体の大きな大人ザルに怒られると、慌ててオランママのもとへ走って戻り、ギュッとしがみついて安心を得る…。

そんな〝頑張る〟パンチくんの姿が、サル山では何度も観察されていました。パンチくんにとってオランママは、厳しいサルの社会に立ち向かうための「心の盾」だったのかもしれません。

市川市動植物園提供

ぬいぐるみの出番が減る=パンチくんの成長

そんな「つかず離れず」の相棒だったオランママですが、最近は出番のない日が増えてきました。トレードマークだったぬいぐるみを抱える姿が見られなくなるのは、ファンとしては少し寂しい気持ちもあります。

しかしそれは、パンチくんが「ぬいぐるみにしがみつかなくても、サル山で生きていける自信」を少しずつ身につけているということかもしれません。 完全に手放したわけではなく、まだ持ち出してくる日もありますが、その少しずつの自立が成長している証なのでしょう。

ライターコメント

パンチくんが大きなサルに怒られ、慌ててオランママにしがみつく姿を初めて見たとき、胸がギュッと締め付けられるような思いがしたのを覚えています。あんなに必要としていたオランママをサル山に持っていかない日があるなんて、子どもの成長の早さに驚く親のような気持ちです。これからもその成長を温かく見守っていきたいと思います。

<ライタープロフィル>ゆんち

2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。

現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。

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