人気アニメ「機動戦士ガンダム」で知られるアニメーション映画監督の富野由悠季さん(83)が8日、東京都内で開催されている宇宙ビジネスに関するイベント「SPACETIDE 2025」に登壇しました。
富野さんはその中で「人類は宇宙では暮らせない」と述べ、自らがガンダムで描いた宇宙移民実現の可能性に否定的な見方を示しました。その一方、「低軌道衛星まで人を運び、周回ツアーを行えばいい」とし〝宇宙旅行〟を可能とするシステム構築を提案。外から地球を見ることで、「世界観が変わる」と強調しました。
「ガンダムを作っているときには一度も発言ができなかった」
富野さんはガンダムで、増え過ぎた人口の一部が地球から宇宙空間に作られたスペースコロニーという施設に移住する世界を描きました。
しかし、作品づくりのために登場人物の宇宙での移動や生活について約20年間かけて考えたところ、人は宇宙では暮らせないという結論に至ったそうです。「この話はガンダムを作っているときには一度も発言ができなかった」と振り返り、会場を沸かせました。
また宇宙空間で人やモノを運ぶ「宇宙エレベーター」について、アニメの中で描いた映像を見せ、「このエレベーターは1両編成ではなく5両編成。このくらいの規模でないと物流というものを成立させることができないし、物流が成立しなくては社会生活はできない」と話しました。
SNS上の感情
富野さんが「人類は宇宙では暮らせない」と述べたことについて、SNSではコメントの投稿が相次ぎました。
emogram編集部では、この話題に対するSNS上の感情を独自に分析しました。
感情分析の結果は以下の通りです。
主な「楽しみ」の声(55%)
「まず宇宙への資材を搬出する拠点を作らないと」
「万能なミノフスキー先生が必要」
「結構前から言ってた」
主な「哀しみ」の声(20%)
「スペースノイドは人ではないと理解」
「夢見すぎ」
「宇宙飛行士以外は地球から離れたことがない」
主な「喜び」の声(15%)
「これでは人の革新など望むべくもない!」
「やはり富野さんも重力に魂を引かれてるのか…」
「いくつもガンダムを作ってきたからこそ到達した答え」
まとめ
今回の分析では、富野さんが「人類は宇宙では暮らせない」と述べたことについて「ガンダムの創造神はアースノイドだったか」「重力に魂を縛られてる御大」と指摘する意見も見られました。
ライターコメント
富野さんは手塚治虫の虫プロダクションを経て、さまざまなアニメ作品で絵コンテなどを担当。1979年にテレビで放映された「機動戦士ガンダム」では総監督のほか、原作、脚本、演出などを担当しました。それまでの巨大ロボットものとは一線を画し、人型兵器「モビルスーツ」などによる戦争を描きました。宇宙移民による国家が地球連邦政府に宣戦布告するというストーリーで、人間ドラマも高く評価されました。SNSでは「ガンダムファンなら人は宇宙で暮らせないことはあらかじめ分かってる」と理解を示す投稿もありました。