世界的な注目を集めるニホンザルの「パンチくん」。群れ入りを目指して頑張る姿を一目見ようと、市川市動植物園のサル山には連日多くのファンが詰めかけています。園側もバリケードの設置やルールの呼びかけなど、サルへの刺激を抑えつつ多くの人が楽しめるよう試行錯誤を続けてきました。
サルの「群れ」を守るために
しかし、残念ながら一部でルールが守られない事態が発生しており、園には苦情も寄せられているといいます。これを受け、園は公式Xにて「観覧自体を禁止せざるを得ない」という強い危機感を込めた注意事項を改めて発表しました。
ニホンザルは群れで生きる動物です。人間が発する騒音や急な動作、長時間の視線は大きな「脅威」となります。園は、そのストレスが群れ全体に伝播し、サル同士の喧嘩など重大なトラブルに発展する可能性を指摘。そうなれば、群れの中でまだ立場の弱いパンチくんへの影響は計り知れません。
「このままルール違反の事案が増え続ければ、私たちも観覧制限の更なる拡大、そしてニホンザルの観覧自体を禁止せざるを得ない」
園がここまで踏み込んだ表現を使うのは、ひとえに動物たちの命と生活を守るためです。

観覧時の具体的な禁止事項・注意事項
私たちがパンチくんを笑顔で応援し続けるために、園が掲げたルールを今一度確認しましょう。
【場所と時間のルール】 「立入禁止ゾーン内へ立ち入らないでください。またバーを押したり乗ったりしないでください」 「最前列で観覧する方はかがんでください。最前列での観覧は10分以内です。経過したら速やかに後列の方にお譲りください」
【行動とマナーのルール】 「観覧中はご静粛にお願いします」 「サル山の外周を移動する場合は走らないでください」
【機材と配信に関するルール】 「撮影で脚立・椅子・三脚・自撮り棒を使うことは禁止です」 「園内でのライブ配信行為は営利・非営利を問わず禁止です」
【スタッフへの配慮】 「サル山観察中の飼育員の業務に支障が出るため、長時間話したり撮影したりすることはご遠慮ください」

「みんなで応援」の形を問い直す
スタッフも巡回を行い、動物たちの負担を減らすよう声がけに努めています。しかし、最高の環境を作るのは、私たち来園者一人一人の振る舞いです。
パンチくんが安心して群れの一員として成長していけるよう、そしてこれからも私たちがその姿を見守り続けられるよう、ルールを遵守した「思いやりのある応援」が今、強く求められています。
ライターコメント
パンチくんを一目見たい、その勇姿をカメラに収めたいという気持ち、よく分かります。でも、その私たちの視線や動作が、パンチくんを群れの中で窮地に追い込んでしまうとしたら、ファンとしてもっとも悲しいことではないでしょうか。「10分経ったら次の方へ」「大きな声を出さない」といった当たり前の優しさが、パンチくんの平穏な日常を守るのではないでしょうか。
<ライタープロフィル>ゆんち
2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。
現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。






