群れ入りを目指して奮闘中のニホンザルのパンチくん。舞台になっている市川市動植物園のサル山では、最近ちょっとした変化が起きています。それは、あんなに目立っていたパンチくんが、なかなか「見つからない」ということ。かつては同じ場所にじっとしていることが多く、すぐにシャッターチャンスをくれたパンチくんに、一体何が起きているのでしょうか。
さよなら?赤茶色の相棒
まず姿を消してしまったのが、赤茶色の「オランママ」ことオランウータンのぬいぐるみです。人工哺育で育ったパンチくんにとって、オランウータンのぬいぐるみが母親代わりでした。常にしがみつき、ほかのサルに怒られたときには一目散にオランウータンのぬいぐるみのもとへ駆け寄っていました。
パンチくんにとって心の支えだったはずのぬいぐるみですが、いつの間にか必要ではなくなってしまったようです。
「ぼっち」から「ムードメーカー」へ
以前は群れから離れてポツンと一人で過ごす時間が長かったパンチくんですが、最近は他の子ザルたちと取っ組み合いをして遊ぶ姿が日常になりました。

大人のサルたちへのアプローチも積極的です。自分よりも体の大きなサルでも気にせず無邪気にじゃれついたり、背中にひょいと飛び乗ったり。ときには「しつこい!」と怒られてしまうこともありますが、それもサル山の群れのルールを学ぶ大切なコミュニケーションです。
「見つけにくい」は、順調な証拠
「以前はあそこにいる!とすぐに分かったのに、最近はあっちへ行ったりこっちへ行ったりで、探すのが大変…」。サル山の群れを見守るファンからは、そんな声も聞こえてきます。
しかし、それはパンチくんがサル山の群れから少しずつ一員として認められ、自由に動き回れているということでもあります。体も大きくなり、ほかの子ザルとの見分けも付きにくくなってきました。
それでも、群れ入りはまだ道半ば。ぬいぐるみを置いて群れの荒波に飛び込んでいくパンチくんを、これからも温かく見守っていきたいと思います。
ライターコメント
かつて「オランママ」のぬいぐるみにしがみついていたパンチくんが、いまは大人ザルに怒られ、子ザルと転げ回りながら、一歩ずつサル社会の階段を登っています。ファンとしては少し寂しさを感じる瞬間ですが、これが飼育員さんをはじめとするスタッフの皆さんにとっては「一番見たかった景色」なのでしょう。
<ライタープロフィル>ゆんち
2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。
現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。






