女優の見上愛さん(25)が一ノ瀬りん、上坂樹里さん(20)が大家直美というヒロインをそれぞれ演じるNHK連続テレビ小説『風、薫る』(月~土曜午前8時)の第50話が5日放送され、女郎の夕凪(村上穂乃佳さん)の救済や社会構造という深いテーマに関する考察が多数寄せられるなど、大きな話題となりました。
ふてくされた様子のシマケン
ある日、「シマケン」島田健次郎(Aぇ! group・佐野晶哉さん)が部屋でふてくされたように横になっていると、友人の槇村太一(林裕太さん)が酒を手にやってきました。不機嫌なシマケンに太一は、ついに原稿ができたのかと色めき立ちますが、シマケンはそれを拒むように取り上げました。
シマケンは書き上げた小説を新聞社へ持ち込みましたが、結果は不採用のようでした。シマケンをさらに打ちのめしたのは、その新聞社の連載小説が「面白い」という事実です。
シマケンはその編集者が確かな審美眼を持っていたことに心をすり減らしていました。落ち込むシマケンを元気づけようと、太一は新聞を広げ、「新聞社なら、こういう世相を反映した題材が受けるかもしれないなぁ」と考えを口にします。それは、「廃娼運動の敵とは」という見出しの記事でした。
夕凪を連れて帰ろうとする錦栄楼の主人
直美は、服毒心中を図った女郎・夕凪の担当になり、看護を続けました。回復した夕凪が錦栄楼の女郎で、客に無理やり毒を飲まされたことを聞きました。20年以上前に同じ女郎屋にいたという夕凪のことは、彼女も知りませんでした。
夕凪は相手が亡くなったと聞くと、自分だけが助かったことに申し訳なさそうな表情を見せましたが、今回の件で死ぬことができれば自らの人生にも終止符を打てると考えていたようで、相手だけ死なせたことに落胆していました。
その後、錦栄楼の主人・権田巳之助(梅垣義明さん)が病院に乗り込んできて、夕凪を連れ帰ろうとしました。それをりんと直美が必死に止めるなか、ベテラン看病婦の須永ヨシ(明星真由美さん)が機転を利かせました。夕凪は足をくじいてうまく歩けないため、早く店に戻れるように手厚く看護すると言って権田を帰らせました。
「あんたらは甘いんだよ!」
2人はヨシに感謝しますが、ヨシはただの時間稼ぎにしかならないとし、店に帰ればこっぴどくやられ、逃げてしくじってもひどいことになるとし、夕凪は、どっちの道を選んでも「地獄」だと言いました。りんと直美の考えは「逃げる」で一致しますが、夕凪は「あんたらは甘いんだよ!」と一蹴。直美は、自分を産んだのが男と逃げた女郎で、その女郎に捨てられた孤児だと打ち明けました。
夕凪の看病を直美に任せたりんはこの日、病院を早退。「瑞穂屋」へ行き、清水卯三郎(坂東彌十郎さん)に相談しました。話を聞いた卯三郎は、夕凪に同情しながらも、彼女ひとりを助けても遊郭の仕組みと社会は変わらないと主張し、助けたい理由をりんに尋ねました。
「生きても死んでも地獄だなんて言わせたくない」
りんは「私は今苦しんでる夕凪さんを逃がしたいんです。せっかく命を取り留めたのに生きても死んでも地獄だなんて言わせたくない」と答えます。
店でそのやりとりを見ていたシマケンが、りんの言葉に心を動かされます。卯三郎は「力及ばず、すみません」と謝ったあと、女郎を救う活動をする廃娼運動家について書かれた新聞記事をりんに見せ、「もし、彼らの協力を仰いで、廃業させられたら、その女郎にも社会にもリターンがあるはずです」と助言します。りんは「この方に会いに行ってみます」と言って店を飛び出しました。
SNSの反応
『風、薫る』の第50話の放送に対し、SNS上では視聴者から様々な反応が寄せられています。
「明治のナイチンゲール、りんの行動に注目です」
■「頼りになるヨシさんです」胸熱展開に共感と応援の声続々!:女郎屋から逃げてきた夕凪を機転で守ったヨシに「頼りになるヨシさんです」と称賛の声が上がっています。また、夕凪を助けようとするりんへ「夕凪の女郎地獄から逃がしたいという成長がスゴイ!」「明治のナイチンゲール、りんの行動に注目です」と期待が寄せられ、「今週も胸が熱くなる展開でした…!」と感動の輪が広がっています。
■「逃げてもその先は…」夕凪の過酷な運命に不安の声:自ら命を絶とうとした夕凪に対し「夕凪の投げやりな態度は気になりますが」「『どちらにしても地獄』」「逃げてもその先は…と思うとね」と行く末を案じる声が多数。りんの行動にも「一時の感情で女郎を助けるって言い出すりんはまだまだですね」と冷静な意見も見られました。
■「社会を変えないといけない」廃娼運動という深いテーマへの考察:卯三郎の助言には「卯三郎さんの『仕組みを変える』視点、めっちゃ深い…」と感心する声も。また、「ナイチンゲールは…イギリス政府に病院環境の改善を要求し実現させた社会活動家」「『不幸な人を減らすには目の前の人を救うだけでなく社会を変えないといけない』という点では共通します」と史実と重ねた深い考察も集まっています。「廃娼運動によって、女郎の人権が守られるようになるんでしょうか」「良い方向に向かいますように…」と今後の救済を願う声で溢れています。
ライターコメント
「生きても死んでも地獄」と絶望の淵にいる夕凪の姿は、当時の女郎が置かれていた過酷な現実を痛烈に突きつけてきます。感情のままに「逃がしたい」と奔走するりんに対し、卯三郎が諭した「仕組みを変えなければ本当の救済にはならない」という言葉は非常に重く、ナイチンゲールの史実とも重なる深いメッセージ性を感じました。ヨシさんの機転で稼いだわずかな時間の中で、りんは廃娼運動家と出会い、夕凪を救うことができるのでしょうか。そして、ふてくされていたシマケンがこの一件でどう変わっていくのか、次週の展開からも目が離せません。
『風、薫る』過去記事
NHK朝ドラ『風、薫る』【第49話】直美(上坂樹里)が凍りついた衝撃のラスト、心中未遂の女の口から出たのは母の名前だった






