美術館に入ろうとする猫と、それを優しく防ぐ警備員。2017年から始まったこの「攻防戦」で全国に知られるようになった、広島県の尾道市立美術館。先日、木彫り彫刻家、はしもとみおさんの作品となった猫たちが「念願の入館」を果たし、警備員と「感動の再会」をしたことが話題になりましたが、実は同館の公式Xでは、ネコたちの軌跡をほぼ毎日振り返る連載企画が続けられ、ファンの心を温めています。
過去と同じ日付に投稿される「時をかける猫ねこ」
今年の4月1日から公式Xでスタートした「時をかける猫ねこ(Cats Who Leapt Through Time)」は、001からカウントが始まり、まもなく「第100回」を迎えようとしています。
時をかける猫ねこ085 "Cats Who Leapt Through Time" (20170630)
『おはニャ🐈⬛Good morning.』ちょうど 9年前🎨朝、ケンちゃんがやって来ましたニャ。#尾道市立美館 #尾道 #猫動画 pic.twitter.com/p7xtOGj8ZI
— 尾道市立美術館 (@bijutsu1) June 29, 2026
同館の広報担当によると、このシリーズには秘密が隠されているそうです。
広報担当の話:「年度が替わるたびにタイトルを微妙に変えながら続けている投稿なんです。過去の同じ日付、または前後1週間ほどの日付でアップしていた黒猫の『ケンちゃん』と茶トラの『ゴッちゃん』の過去の投稿を、再度投稿しています。そのため『時をかける』というタイトルになっています」
美しい美術館のあるお庭をバックに歩くゴッちゃんや警備員に甘えるケンちゃんのほか、警備員の出勤を待ち伏せしていたかのようなシーンまでさまざま。
まさにタイムスリップしたかのように鮮やかによみがえる日々の記録に、たくさんの「いいね」やコメントが寄せられています。
時をかける猫ねこ093 "Cats Who Leapt Through Time" (20220710)
『どいしょおるん👮♂️🐈⬛What are you up to?』 ちょうど 4年前🎨午後、エントランスにやって来たケンちゃんでしたニャ。#尾道市立美館 #尾道 #猫動画 pic.twitter.com/Zjcqp8dJdB
— 尾道市立美術館 (@bijutsu1) July 9, 2026
リアルタイムの絶景を届ける「朝の尾道水道」
また、公式Xでは「時をかける猫ねこ」の過去の振り返りとは別に、「尾道水道」というシリーズも投稿されています。
こちらは、尾道市立美術館の2階から見える現在の風景などを届けているもの。実は尾道市は「尾道の箱庭的都市」や「村上海賊」、「北前船」という3つの日本遺産が一つの自治体に存在することで知られています。
広報の担当者によると、尾道市立美術館の2階から見える景色は、尾道水道が見渡せる素晴らしい絶景なのだそうです。
【朝の尾道水道 Onomichi Channel in this morning】おはようございます。
ただいま「#はしもとみお木彫展 いきものたちとの旅」展を開催中!よろしくお願いします。#尾道市立美術館 #はしもとみお #尾道水道 pic.twitter.com/QYBdYyZOTO
— 尾道市立美術館 (@bijutsu1) July 11, 2026
尾道市立美術館のさらに上にある展望台から撮影した景色=尾道市立美術館公式Xより
黒猫の「ケンちゃん」と、茶トラの「ゴッちゃん」の軌跡
この美術館の「攻防戦」といえば黒猫の「ケンちゃん」が有名ですが、かつては茶トラの「ゴッちゃん」というもう一匹の相棒がおり、ケンちゃんと同じく人気を集めていました。
近くに住んでいたゴッちゃんは、数年前に新しい飼い主さんと巡り合い、現在は美術館から離れたお家で幸せに暮らしています。一方、美術館の顔として長年愛され続けたケンちゃんは、多くのファンに見守られながら2025年9月に天国へ旅立ちました。
そんな2匹ですが、「時をかける猫ねこ」の連載の中で、ケンちゃんとゴッちゃんが揃って美術館周辺で過ごしていた、平和で賑やかなあの頃の時間が今も大切に紡がれ続けているのです。
時をかける猫ねこ023"Cats Who Leapt Through Time" (20180423)
『Ken🐈⬛🐈Go』ほぼ 8年前🎨エェ⁉︎ というゴッちゃんの表情が秀逸でしたニャ。#尾道市立美館 #尾道 #猫 pic.twitter.com/e7x4hvApBv
— 尾道市立美術館 (@bijutsu1) April 23, 2026
ライターコメント
木彫りになったケンちゃんを警備員さんが愛おしそうになでる動画は、何度見ても目がうるんでしまいます。ゴッちゃんは新しい家族のもとで幸せになり、ケンちゃんはお空へ旅立ちましたが、公式Xを開けばいつでも「あの頃」の2匹と優しい警備員さんに会えます。尾道市立美術館の温かな投稿に、日々心が洗われているのは、きっと私だけではないはずです。絶景の「朝の尾道水道」とともに、これからも更新を楽しみにしています。
<ライタープロフィル>ゆんち
2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。
現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。
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