チンパンジーのレモン=天王寺動物園公式サイトより

チンパンジーのレモン、天王寺から長野へお引っ越し 「良いお母さんになってください」

By - emogram編集部・ゆんち
アニマル

天王寺動物園のメスのチンパンジー「レモン」(22歳)が、長野市茶臼山動物園へ引っ越しました。9月24日に移動が発表されていたレモンは、10月13日に天王寺動物園を出発し、翌14日早朝、無事に新しい住まいへ到着したと、同園のスタッフブログで報告されています。

「お母さんになれる年齢」 繁殖のための旅立ち

今回の引っ越しの大きな理由は、レモンの繁殖の可能性を広げることにあるようです。

天王寺動物園は「レモンはお母さんになれる年齢に達しています」としたうえで、「このまま天王寺にずっといるより他園へ移動し、繁殖能力のあるオスがいる群れへ入ってもらうことがレモンにとって良い」と判断したことを明らかにしています。

これは国内のチンパンジー全体の繁殖計画に沿った移動でもあるそうです。

繁殖だけじゃない、レモンの「これから」を考えて

天王寺動物園の公式サイトによれば、今回の移動は繁殖のことだけではないようです。

現在、レモンはリッキー(オス)と、ミナミ(メス)と一緒に暮らしていますが、今年2月、レモンと仲の良かったプテリ(メス)が死んでしまったといいます。

天王寺動物園は「プテリがいなくなった穴は、レモンにとって全て埋まることがないように思います…」と、その影響の大きさを明かしています。

さらに、リッキーとミナミは人工哺育で育ったため、実の母親に育てられたレモンとは、コミュニケーションの面で少し物足りなさがあるようだとも説明されています。「仲が悪いわけではない」としながらも、レモンの生活の質を考え、新しい環境へ送り出すことを決めたそうです。

チンパンジーのレモン=天王寺動物園公式サイトより

子育てを見つめる中で強まった、ある思い

天王寺動物園では今年5月、別のチンパンジー「ナナコ」が出産し、赤ちゃんは8月30日に「アマニ」と名付けられました。

この母子の様子を見守るなかで、天王寺動物園は「レモンにも経験させてあげたい」という思いが募っていったと公式サイトで説明しています。レモンのお引っ越しの背景には、こうした願いも重なっていたようです。

10月14日早朝、新しい住まいに無事到着

迎えた10月13日、レモンは天王寺動物園を出発。翌14日の早朝、長野市茶臼山動物園に無事到着しました。到着直後のレモンは不安そうな様子を見せながらも、用意された果物などを口にし、元気な姿を見せているとのことです。

公式サイトのブログの最後は、職員からのこんな言葉で締めくくられていました。

「少しさみしくなったけど、レモン幸せになってね。また会いに行くね!」

■天王寺動物園公式サイト:「レモン、良いお母さんになってください」

ライターコメント

「レモンはお母さんになれる年齢に達しています」という一文から始まったこの引っ越し。でも読み進めると、そこにあったのはただの繁殖計画ではなく、プテリとの別れや、ナナコとアマニの親子を見つめるなかで芽生えた、レモンへの深い愛情だったように思います。新しい環境で少しずつ落ち着いて、いつかレモンが「良いお母さん」になる日が来ますように。私も、長野まで会いに行ける日を楽しみにしています。

<ライタープロフィル>ゆんち

2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。

現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。

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