冷たい雨が降った3月3日。休園日明けの市川市動植物園には、悪天候にも関わらず、パンチくんの成長を願う熱心なファンたちが集まりました。
その中の一人、日々パンチくんを見守り続けている盾さん(@tate_gf)は、ある決定的な「成長の瞬間」を目撃しました。
「しがみつき」からの卒業
人工哺育のパンチくんにとって、飼育員の手足はほっとするのでしょう。これまでのパンチくん、食事の時間になると、飼育員の手足にしがみつく姿が定番の光景でした。
そのかわいい姿を動画などで目にし、「オランママ(ぬいぐるみ)よりも飼育員さんが好きなのかな?」と微笑ましく感じていた人も多かったはず。しかし、パンチくんが「サル山の群れ」に入るためには、飼育員からの独立も重要なのです。
「きょうは初めて、群れと一緒に…」
そんな中、この日のパンチくんは違いました。食事の時間になっても、大好きな飼育員の手足につかまることなく、群れの仲間とともに食事を食べたのです。

この光景は、飼育員にとっても感慨深い「一歩」だったよう。飼育員はサル山の前で、見守る来場者たちへ向けてこう説明しました。
飼育員:「いつもだったら(飼育員に)くっついてご飯を食べるのですが、きょうはパンチは初めて、群れと一緒にごはんを食べました。パンチにとって、成長の日になりました」
雨が流した「甘え」と、自立の第一歩
降りしきる雨の中、仲間のサルたちと同じ環境で、同じようにえさを待つ。 それは、野生の血を引くニホンザルとして、最も過酷で、そして最も誇らしい自立への第一歩。飼育員の腕の中から卒業し、本当の意味で「群れの一員」への階段を登り始めたパンチくん。
その小さな背中は、これまでよりも少しだけ逞しく見えました。
ライターコメント
「しがみつかなかった」という、たったそれだけのこと。けれど、その裏にあるパンチくんの葛藤や、飼育員の「自立してほしいけれど少し寂しい」かもしれない親心が心にしみます。現場にいた盾さんのようなファンの皆さんと、その喜びを分かち合える素敵なニュースでした。
<ライタープロフィル>ゆんち
2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。
現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。












