サル山のパンチくん=千葉県の市川市動植物園(撮影:ゆんち)

【6月〜7月編】パンチくんの歩み第5章:満1歳を迎え、深まる「自立」の道

By - emogram編集部・ゆんち
アニマル

母ザルの育児放棄により人工哺育で育ち、ぬいぐるみの「オランママ」をぎゅっとつかみながらサル山での群れ入れへ挑んできた千葉県・市川市動植物園のニホンザル「パンチくん」。最近ではサル山で自分の「居場所」を築き上げ、7月26日にはついに満1歳の誕生日を迎えました。遊具で全力で遊んだと思ったら、無防備に眠る日や、たくさんの来園者が1歳のバースデーを祝った日、そして小さな傷をめぐる同園からの報告まで――。「甘えん坊の赤ちゃん」から「サル山の一員・頼もしいお兄ちゃん」へとたくましく成長した6月〜7月の足跡を振り返ります。

📖 パンチくんの成長ストーリー(過去の歩みはこちら)

鎖のハシゴへの懸命な挑戦(6月中旬)

鎖のハシゴの前で一歩を踏み出そうと奮闘するパンチくん=市川市動植物園(撮影:ゆんち)

6月中旬のサル山では、先輩サルの真似をして新しい遊具に挑戦するパンチくんの姿が見られました。

サル山の中央にある「鎖でできたハシゴ」の上をスイスイと行き来する先輩サルたち。パンチくんはその姿をじっと見つめ、ついに意を決して一歩を踏み出します。しかし、ユラユラと揺れるハシゴが少し怖かったのか、「一歩進んでは、また一歩戻る…」を何度も繰り返し大苦戦。

結局その日は最後まで渡り切ることができず、地べたに寝転んでゴロゴロと休憩タイムへ。ほかのサルに優しく毛づくろいをしてもらいながら疲れを癒やしていました。オランママに頼ることなく、サル山の社会の中で揉まれながら一歩ずつ成長していく健気な姿が印象的な一幕でした。

👉 記事詳細:パンチくんがくさりのハシゴに大苦戦 サル山から最新近況レポート

無防備にウトウト過ごす姿が語るサル山の居場所(7月中旬)

子ザルたちと遊ぶパンチくん。頼もしさが出てきた=市川市動植物園公式Xより

7月中旬、連日の厳しい暑さの中でもパンチくんは食欲旺盛で元気いっぱい。空前のベビーラッシュを迎えたサル山で、新しく生まれた赤ちゃんザルや子ザルたちの「頼もしいお兄ちゃん」として全力で遊び回る日々を送っています。

そんな中、公式Xで公開された「7/19(日)のサル山とパンチ」の動画では、全力で遊びすぎて「電池切れ」を起こし、ウトウトと船を漕ぐパンチくんの愛くるしい姿が話題を呼びました。

群れ入れの途上にあるサルにとって、サル山の中で無防備に眠ることは本来なら警戒心から非常にハードルが高いことです。しかしサル山担当の飼育員は、このウトウト眠る姿は「サル山内に自分の居場所ができてきたことの証」だと解説していました。

大の字で寝転がったり、ほかのサルに毛づくろいを求めるかのように甘えたりと、サル山がパンチくんにとって「安心して過ごせるホーム」になったことが証明された嬉しい瞬間でした。

👉 記事詳細:サル山に自分の居場所ができた証拠 市川市動植物園のパンチくん最新報告

約2,000人が祝福した1歳の誕生日(7月26日)

1歳の誕生日を迎え、サル山で過ごすパンチくん(市川市動植物園公式Xより)

そして迎えた7月26日。パンチくんは満1歳の誕生日を迎えました。

連日の猛暑と不安定な天候にもかかわらず、この日の園にはなんと約2,000人が来園。開園前からゲート前には長蛇の列ができ、サル山周辺はかつての大ブームを思い出させるような熱気に包まれました。

あまりの大盛況に、公式Xの「中の人」こと安永崇課長も久しぶりにマナー啓発のプラカードを出動させるほど。しかし、午後の給餌タイムでは大勢の来園者が「静かに」見守り、給餌後にはみんなで静かに記念撮影が行われるなど、来園者のマナーと愛情が光る感動的な1日となりました。

閉園後には、多忙を極めていたであろう担当飼育員から、SNSのファンへ向けて「撮りおろしスマホ壁紙4枚」のサプライズプレゼントが公式Xを通じて贈られる一幕も。園とファンが一体となってパンチくんの成長を祝う、最高のバースデーとなりました。

👉 記事詳細:1歳の誕生日は大盛況 閉園後には飼育員からサプライズプレゼント

足の小さな傷にも即座に対応 ファンの不安に寄り添う園(7月下旬)

誕生日直後の7月下旬、一部のSNSでは「パンチくんがケガをしているのでは?」と心配する声が上がりました。これに対し同園は7月30日、公式Xで現状を報告しました。

右足薬指の第一関節付近に小さな傷が確認されたものの、すでに獣医師による消毒などの処置が完了していること、そして「傷は浅く、咬傷(他のサルに噛まれた傷)によるものではない」と投稿されました。

こうした市川市動植物園の公式Xでの対応に、「本当にファンの知りたいことに寄り添ってくれて安心した」「動植物園の発信力の高さを実感する」と感謝と安堵の声が寄せられました。

本人は痛みや恐怖を感じている様子もなく、相変わらず元気いっぱいに過ごしているとのことです。

👉 記事詳細:パンチくんに小さな傷 「咬傷によるものではない」との発表に安堵の声

まとめ:甘えん坊の赤ちゃんから、サル山を引っ張る「お兄ちゃん」へ

「オランママ」ことオランウータンのぬいぐるみを心の支えに群れ入れを始めたパンチくんも、1歳を迎え、今では自然とぬいぐるみから離れる時間も増え、仲間と絆を深めています。

厳しい社会のルールを学び、ときには「電池切れ」になるまで仲間と遊びつくす日常。その一つひとつのステップの裏には、パンチくん自身の勇気と、温かく見守る園のスタッフ、そして世界中のファンの愛情がありました。

1歳という大きな節目を越え、サル山の一員としてますます逞しくなっていくパンチくんの成長ストーリー。これからもパンチくんの歩む道を温かく見守っていきたいと思います。

📌 この時期の主なできごとまとめ

時期 できごと・成長のポイント
6月中旬 サル山の新遊具「鎖のハシゴ」に挑戦。先輩サルの姿を真似ながら社会の中で成長する健気な姿が見られました。
6月下旬 新たな給餌方針(バックヤード給餌)の導入。人間に甘えず、群れの中で自分の力で食事を摂る「自立支援」が本格化。
7月中旬 全力で遊んで「電池切れ」でウトウト。無防備に眠る姿は警戒心が薄れた証。サル山に「自分の居場所」を確立。
7月26日 満1歳の誕生日を迎える。約2,000人のファンが駆けつけ大盛況。飼育員からの壁紙プレゼントも話題に。
7月30日 足の小さな傷について園が迅速公表。「咬傷ではない」との獣医師見解を発信し、ファンから安心の声。

■市川市動植物園:公式サイト

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