福井県にある鯖江市西山動物園には、大人気のレッサーパンダのペアがいます。熱烈にアプローチするライトくんと、そんなライトくんに塩対応を見せるかのこちゃんの2頭です。そんな凸凹だけど息の合った2頭の間に、今シーズンの双子は誕生しました。飼育員の中嶋公志さんに、レッサーパンダの繁殖にあたって、日ごろから大切にしていることを聞きました。
一頭一頭に合わせたレッサーパンダの飼育を
中嶋さん:「西山動物園では、レッサーパンダ一頭一頭の性格や体調、行動をよく観察し、それぞれの個体に合わせた飼育を大切にしています」
そして、繁殖についても、この考え方は欠かせないといいます。ただし、繁殖は鯖江市西山動物園だけの判断で決められることではありません。
近い血統の個体ばかりで繁殖すると近親交配のリスクが高まるため、動物園同士が協力して血統を管理しながら進められているそうです。
そのうえで、実際に繁殖にいたる段階では、ペアの相性や個体の状態を見ながら向き合うことを心がけているといいます。
中嶋さん:「繁殖においても、単に繁殖を進めるのではなく、ペアの相性や個体の状態を見ながら、できるだけレッサーパンダ自身が自然な形で繁殖できる環境を整えることを心がけています」

母親を信じて、見守るということ
出産のあとも、その姿勢に変わりはないようです。以前、初めての子育てに奮闘するアケビが、双子が眠っている間の「ひとり時間」にリンゴを味わう姿が同園の公式Xに投稿され、話題になりました。
中嶋さん:「妊娠・出産後は母親と赤ちゃんの様子を細かく観察し、必要以上に人が介入せず、母親が安心して子育てできる環境を維持することも大切にしています」
日々の観察と、一頭一頭への向き合い方を積み重ねてきたことが、その土台にあるようです。
中嶋さん:「特別な工夫というよりも、日々の観察を積み重ね、一頭一頭に合わせて飼育方法を考えていくことが、西山動物園の大切にしているところだと思います」

これからも一日一日を大切に
今回誕生した4頭についても、中嶋さんの思いは変わりません。
中嶋さん:「4頭が無事に元気に成長してくれることを願いながら、これからも一日一日の変化を大切に見守っていきたいと思っています」
これからも、目の前の4頭と、その日その日、丁寧に向き合う日々が続いていくのだと思います。
■鯖江市西山動物園:公式サイト
ライターコメント
単独で人気者になったレッサーパンダはこれまでも見てきましたが、ライトくんとかのこちゃんのように「凸凹なペア」として愛されている姿には、なかなか出会ったことがありませんでした。普段は見えない飼育の姿勢まで、中嶋さんに直接お話しいただけたことは、とても貴重な機会になりました。
<ライタープロフィル>ゆんち
2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。
現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。
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