NTTドコモは29日、インターネット銀行大手の住信SBIネット銀行を買収すると発表しました。買収額は約4200億円に上る見通しです。
ドコモは出遅れが指摘されていた金融事業を強化し、決済やクレジットカードなどのサービスと組み合わせたドコモ「経済圏」を拡大する狙いがあります。
同時に、ドコモ親会社のNTTも29日、SBIホールディングス(HD)に約1100億円を出資し、資本業務提携することを発表しました。
出遅れ取り戻す思惑
携帯大手各社は、携帯事業で囲い込んだ顧客基盤を活用して、グループ内に持つ銀行や証券会社などを通じて金融関連のサービスの展開を強化しています。
NTTドコモは、携帯大手で唯一、傘下に銀行がなく、住信SBIネット銀行の買収により、同事業の出遅れを取り戻す思惑があります。
SNS上の感情
NTTドコモによる住信SBIネット銀行の買収方針のニュースについて、SNSでは投稿が相次ぎました。
emogram編集部では、この話題に対するSNS上の感情を独自に分析しました。
感情分析の結果は以下の通りです。
- 「喜」(約0.5割)
- 「怒」(約2割)
- 「哀」(約6.5割)
- 「楽」(約1割)
主な「哀しみ」「怒り」の声(約8.5割)
「使い勝手良くてメインにしてたけどこれはもうダメかもわからんね」
「終わった…」
「使いづらくなる未来しか見えない」
「やめてー便利なのに住信」
「つらい メインの銀行変えようかな」
「家計用の銀行として住信SBIネット銀行使ってたけど使いにくくなるならやだなー!!」
「docomoが買収とかサービス悪くなりそう…」
「楽天銀行に乗換確定じゃね?今まではメインバンクで使ってたけど」
主な「喜楽」の声(約1.5割)
「ユーザー目線のサービス期待したい!」
「携帯電話の通信事業社が銀行決済を持てると、決済の仕組みを掌握できるから大きい」
「脱楽天してdocomo経済圏に乗り換えたSBIユーザのわい歓喜事案かもしれん」
まとめ
今回の分析では、NTTドコモによる住信SBIネット銀行の買収方針のニュースについてネガティブな意見が大部分を占める結果となりました。NTTドコモの買収によりサービスや使い勝手が悪くなることを懸念する声や「アプリとかIDとかポイントに口を出さないって約束してください」など現在のポイントの行方などを心配する反応なども寄せられていました。一方、ポジティブな声としては、既にNTTドコモの経済圏入りしているユーザーから利便性が高まるとして歓迎する反応などがわずかながら見られました。
ライターコメント
NTTドコモは、これまで、金融事業の核である銀行をグループの傘下に持たず、KDDIやソフトバンク、楽天グループに大きく出遅れていました。このため、3社に対抗すべく、最近では、ネット証券大手のマネックス証券のほか、個人向けのカードローンを手がけるオリックス・クレジット(現ドコモ・ファイナンス)を相次ぎ子会社化し、投資や個人向けの融資など金融サービスの強化を進めてきました。そして、ついに〝本丸〟ともいうべき銀行業への参入を果たすことになります。
NTTドコモの銀行業進出により、大手通信各社による競争の激化は避けられない状況です。
KDDIは今年1月、三菱UFJフィナンシャル・グループと共同運営してきた「auじぶん銀行」を完全子会社化。ソフトバンクは5月15日、三井住友フィナンシャルグループの個人向け金融サービス「Olive(オリーブ)」とソフトバンク系のスマホ決済「PayPay(ペイペイ)」を連携させることを発表しました。楽天グループも傘下に銀行や証券会社、クレジットカード会社があり、それぞれ顧客基盤を拡大しています。
通信と金融の連携は、携帯大手各社がそれぞれ目指す「経済圏」の確立に向け不可欠な要素であり、今後、ますますこの分野を強化する動きが加速度的に進むことになりそうです。