千葉県市川市が市庁舎に展示していた花火の写真を、1人の市民から「特定の写真家のPRにつながる」との指摘を受けて当日に撤去したことについて、市は29日、「深くおわびを申し上げるとともに、今後このようなことがないように慎重に対応したい」との宮内徹・経済観光部長のコメントを発表しました。
市には「1人の意見で写真が見られなくなるのは納得いかない」など約120件の意見が寄せられていました。その多くが反対意見で、対応を一転した形です。撤去された写真は、29日から11月中旬にかけて市の施設で再展示されます。
今回の問題を巡っては、田中甲市長も自身のXで28日、これまでの対応の誤りを認め、市民が持っている写真を戻した上で今後の市政運営に活かしていきたいと謝罪しました。
今回多くの報道がなされ、たくさんの市民の皆さん方にもご心配をおかけしている「市役所内、花火の写真撤去の件」について私の考えをお伝えさせていただきます。
本日までに、担当部長から今までの流れをすべて確認いたしました。…
— 田中甲 (@koh_tanaka) October 28, 2025
「撤去の判断は妥当」から一転再展示へ
この問題は、8月2日の市川市民納涼花火大会で富士山をかたどった花火が「最も高い山型の仕掛け花火」としてギネス世界記録に認定、10月8日に写真家が撮影したその花火の写真を展示したことがきっかけとなりました。
翌9日に一人の市民のクレームによって市は写真が撤去され、写真家にも撤去の事実と経緯を報告しました。
市では当初、撤去の判断は妥当としていましたが、市長が謝罪する事態に発展しました。
SNS上の感情
「たった一人のクレームで写真を撤去するなんておかしい」とSNSでは対応を批判する声も多かったこの問題ですが、SNSでは多くのコメントが相次いでいました。
emogram編集部では、この投稿に関するコメントを独自に分析しました。
分析の結果、コメントは大きく以下のように分類されました。

主な「クレーマーへの批判」の声(40%)
「1人のクレームに耳を傾ける時代は終わりました」
「いい加減『不快』の一言でなんでも排除できると思ってるバカはぶん殴るべき」
「ことなかれでクレーマーに成功体験を与えるとどんどん調子に乗るぞ」
「子供の声がうるさいとクレームつけて公園を廃止させたもの一人のクレーマーだったよな」
主な「行政対応への批判」の声(35%)
「判断力低すぎ 役所がこんなんでいいのかな」
「行政ってホントクレームに弱いのな」
「初手速攻で撤去した職員を詰めた方がええな あまりにもビビり過ぎや」
「撤去したのも元に戻したのもどちらも本質は同じ。つまりは事なかれ主義」
主な「市長の謝罪を評価」の声(15%)
「市長の謝罪と写真復活は正しい対応です。一人のクレームに屈せず、多くの市民の声を優先した点が民主主義の基本を体現しています」
「反省してリカバリーできるのは凄いことだ!!」
「謝れるのえらい 見直せるのえらい 当たり前のことを出来ない人が多い」
主な「 事なかれ主義への批判」の声(10%)
「日本人に足りないのは、ダメなものはダメ、と言える毅然とした態度。言えないのは優しさじゃなくて弱さ」
「大晦日の除夜の鐘も、こんなふうに対応を見直して欲しい。あらへ日本の文化そのものなのだから…」
「そんな少数派の意見を意見を聞き入れて『やっぱやめた』がこの国を象徴してるような…」
まとめ
今回の分析では、写真を撤去した市の対応に対して「クレーマーに屈するな」と批判の声が集中。市長の謝罪と撤去は取り消されたものの初動対応の判断力の低さを問題視する声も多く見られました。少数意見に過剰に反応してしまう日本の「事なかれ主義」への批判の声も目立ちました。
ライターコメント
市川市の写真撤去のニュース、「たった一人のクレームでなぜ?」と怒りが湧いた人も多いと思います。「事なかれ主義」で動いてしまうとクレーマーだけが得をしてしまう理不尽さこそ問題なのではないかと考えます。しかし、市長がすぐに間違いを認め、写真を戻したのは素晴らしい判断だと思いました。












