「ありがとう、ケンちゃん」
広島の尾道市立美術館が11月11日、公式Xで「ケンちゃん」の訃報を伝えました。
【訃報】病気療養中であったケンちゃんが、9月20日(土)に永眠いたしました。
本日11月11日は、ケンちゃんが家猫となった日です。ケンちゃんとの日々、決して忘れません。ありがとう。
在りし日を偲んで、もうしばらくは、時をかける猫シリーズを続けます。よろしくお願いします。#尾道市立美館館 #猫 pic.twitter.com/3VN1ONk2vj
— 尾道市立美術館 (@bijutsu1) November 10, 2025
美術館への〝侵入〟を試み、警備員さんとの攻防がSNSで大きな話題になった黒猫「ケンちゃん」が、9月下旬に虹の橋を渡ったという内容でした。
2017年から続いた美術館との縁
ケンちゃんは近くの飲食店の飼い猫。2017年3月、初めて館内への侵入を試みました。
それは「招き猫亭コレクション―猫まみれ」展の開催中の出来事で、今となっては理由は定かではありませんが、ガラス越しに見える猫の彫刻作品に反応したからなのかもしれません。
この時、警備員さんによって丁重にお帰りいただく様子を美術館が公式Xに投稿すると、国内外のネコ好きのハートを鷲摑み、海外メディアでも大きく報道されました。
この一件で話題となった同美術館は、2022年度に、年間来館者数が過去最多の7万人超を記録。「ケンちゃん」の存在が、地方の美術館の名を一躍、世界に知らしめることになりました。
11月11日、飼い猫になった記念日
ケンちゃんを撮影した美術館のスタッフは、こう語っています。
「11月11日は、ケンちゃんが近くのレストランの飼い猫になった記念日です」
そして飼い主さんからは、ケンちゃんへの手紙や贈り物については、お気持ちだけで十分ありがたいです…と話していらっしゃるそうです。
美術館では、ケンちゃんとの思い出の写真を今後もXに投稿していく予定とのこと。来年度には、ケンちゃんにちなんだ企画展も検討されているそうです。
温かいお別れの言葉
SNSには、たくさんの「ありがとう」が溢れています。
「ケンちゃんと警備員さんとのやりとりを拝見するのがとても楽しみでした。ご冥福をお祈りいたします」
「私に尾道の魅力を教えてくれたのはケンちゃんでした。家猫になれて良かった」
「2020年12月尾道に行きました。ケンちゃんに会えて、抱っこまでさせていただけて、大感激の1日でした」
「天国でゆっくりとお休みなさい。君がいてくれて本当によかった😢」
尾道市立美術館のスタッフは「毎日のように触れ合ってきた同僚、同志といえる存在。地方都市の美術館の名を世界に知らしめてくれた」と悼みました。
ライターコメント
美術館に入りたい、でも警備員さんが丁重にお帰りいただく。そうしたやりとりが、世界中の人を笑顔にしました。ケンちゃんはたくさんの人に愛され、飼い主さんのそばで虹の橋を渡ったとのことです。ケンちゃん、たくさんの人を笑顔にしてくれてありがとう。そして飼い主さん、警備員さん、美術館のみなさん、お疲れさまでした。












