千葉県袖ケ浦市のテーマパーク「東京ドイツ村」で咲き誇る千葉県のシンボル・菜の花

「本州で唯一、クマがいない」千葉県にアウトドア客も大注目、その驚きの3つの理由とは

By - emogram編集部ゆんち
ライフ

「千葉県には、クマがいない」

全国でクマによる被害が深刻化している2025年。市街地にも現れる「アーバンベア」も問題となる中、ある事実が改めて注目を集めています。

本州で唯一、クマが生息していない県

産経新聞の鈴木貴之記者が、取材を重ねてその理由を探っています。

「過去にも記録が一つもない」

県立中央博物館の研究員、下稲葉さやかさん。動物学を研究し、県内の哺乳類の生態に詳しい専門家です。

その下稲葉さんによれば、「現在、千葉県内ではクマの存在が確認できない。過去にも県内に生息していたという直接的な記録も一つもない」そう。

驚くべきことに、県内ではクマの化石も出土していないとのこと。縄文時代の遺跡からクマの牙は発見されているものの、当時の交易品の可能性が高いそうです。

つまり、千葉県には大昔から一度もクマが住んだことがない可能性が高いんです。

なぜクマがいないのか?――3つの理由

下稲葉さんの話から、3つの理由が見えてきました。

1. 三方を海に囲まれている地理的条件

千葉県は三方を海に囲まれた半島。江戸川を挟んで東京都や埼玉県、利根川の対岸に茨城県がありますが、これらの県にクマが出没しているのは山間部。

「東京、埼玉、茨城の中でもクマの生息域である山間部は千葉から遠く離れている。出没地域から移動してくるには都市部や平野部を通らねばならず、千葉県までたどり着くことは難しい」(下稲葉さん)

つまり、クマが千葉に来ようとしても、途中に都市部や平野部があって、物理的に到達が困難なんです。

2. 連続した森林の面積が小さい

クマが生きるには、エサや巣穴の確保など、広い森林面積が必要。

「定住するための繁殖なども考えると、半島である県内の森林面積では小さい可能性もある」(下稲葉さん)

現在、ツキノワグマが生息する世界で最も小さい島は四国。千葉県の森林面積は、クマが繁殖して定住するには小さすぎるのかもしれません。

3. 縄文海進の影響

縄文時代に海面が上昇した「縄文海進」により、今の県内陸部まで海が入り込み、現在より森林面積が小さかった可能性も。

つまり、歴史的にも地理的にも、千葉県はクマが住むには向いていなかった――そういうことなんですね。

「安心してキャンプできる」――観光客も注目

クマ被害が深刻化する中、千葉県の「クマがいない」という特徴は、アウトドアを楽しむ人々からも注目されています。

いすみ市のキャンプ場「TAKIVILLAGE」では、昨年からSNSの広告で「千葉にはクマがいない上に暖かいので、キャンプに適している」とアピール。

代表の新谷(しんかい)亮太さんによると、東京や神奈川からの利用客が、「クマがいないから安心」という理由で訪れているそうです。

また、県南部の鋸山(のこぎりやま)なども、県外の登山客から注目されているとのこと。

SNSの反応――「貴重なエリア」として再評価

感情分析の結果、千葉県がクマのいない貴重なエリアであることへの注目が集まっていることがわかりました。

「三方が海に囲まれ森林が小さいなど地理的条件が要因」という分析や、「関東平野に進出していない」といった生態的な視点からの考察も。

アウトドア客にとっての安全性という観点から、千葉県を評価する声が目立ちました。

鈴木記者も、「県南部の鋸南町と富津市にまたがる観光名所の鋸山(のこぎりやま)なども、県外の登山客から注目されている。今後、首都圏でもクマの被害が増えた場合、「安心」を求めて千葉県を訪れる観光客が増えるかもしれない」とまとめていました。

ライターコメント

「クマがいない」と言い切るのは難しいのでは?と思いましたが、この記事を読んで、千葉にはクマがいないことがよくわかりました。千葉はときどき行きますが、山が多くてクマがたくさんいるようなイメージがあったので、これは新しい発見でした。

>熊出没ではなく大きめの○○⁉「防犯カメラの映像が出るまで信じないぞ!」

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