YouTube「市川市公式チャンネル」より

市川市動植物園が声明を発表 パンチ以外のサルたちを「あえて紹介しない」理由

By - emogram編集部・ゆんち
アニマル

市川市動植物園(千葉県)から5月1日、公式Xで5通目となる「声明」が投稿されました。市川市動植物園では4月20日と26日にニホンザルの赤ちゃんの誕生を確認していますが、同園には現在、この2頭をはじめとするサル山のサルの個体名に関する問い合わせが殺到しているといいます。声明では、「パンチを除く各個体の紹介は当面の間控える」という方針を表明、その理由が詳細に説明されました。

「ネガティブな感情」を懸念

動物園には通常、名前や個性を紹介することで動物たちに親しみを持ってもらい、習性を学ぶきっかけを提供するという考え方があります。パンチくんが世界的に愛されるようになったのも、その情報発信があったからです。

一方、パンチくんへの応援の声が大きくなった現在、市川市動植物園には「パンチを攻撃した個体」や「一緒に遊ぶ個体」など、特定のサルに対する問い合わせが殺到しているといいます。

声明より:「パンチに対する応援が非常に強くなったことで、その周囲のサル達への様々な感情をも呼び起こしてしまっています。それは好意や共感だけではなく、敵意や憎悪といったネガティブな感情も含まれています」

動物と飼育環境を守るための「公表を控える」選択

市川市動植物園では現在、パンチくんがサル山のほかのサルたちと交流し、群れの一員となることを目指してさまざまな取り組みを進めています。そのために、飼育員は専門家として慎重に観察を続け、必要な措置をとってきました。

しかし、もしサルの個体名を公表した場合、国内外から「○○を保護して欲しい」「○○を群れから離して欲しい」といった意見が殺到する恐れがあります。

そういった声は、慎重にサル山を見守っている園や飼育員の業務に深刻な影響を及ぼす懸念があるほか、最終的には「飼育する全ての動物たちに影響が出るおそれがある」と市川市動植物園は危惧しています。

それらを踏まえ、市川市動植物園では、あえて名前や個性を公表しないという選択に至ったのです。

不正確な情報にご注意を。そして「いつか」の日まで

声明によれば、SNSなどでは関係者を名乗る投稿者による不確実な情報や、AIで作成された画像などが多く出回っているとのこと。そういった情報に対して警鐘を鳴らすとともに、声明の最後では、ファンへの感謝も表明。そして次のように締めくくっていました。

声明より:「いずれパンチが大人になり、私たちがそれぞれの個性を紹介できるその日までお待ちいただければ幸いです」

ファンである私たちには、不確かな情報に惑わされず、市川市動植物園の通常業務に支障が出ないように行動することが求められています。これからもパンチくんをはじめ、サル山の仲間たちが穏やかに過ごせるよう、静かに見守りたいと思います。

ライターコメント

今回の声明文を読み、市川市動植物園が「動物ファースト」の姿勢を引き続き貫きつつも、世界中からの反響に対して真摯に向き合おうとする姿が伝わってきました。名前を知りたい、もっと様子を知りたいと願うのはファンとして当然の気持ちですが、その愛情が時に飼育現場の負担になってしまうこともあるのだと、改めて心に留めておきたいと思いました。

<ライタープロフィル>ゆんち

2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。

現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。

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