年間600軒飲み歩くハツ「一度は訪れたい名店」(73)
こんにちは、年間600軒のレストランや酒場を食べ飲み歩き、グルメ情報を発信しているグルメハンターのハツです。
70年以上愛され続けている鶏料理の老舗「伊勢ろく 本店」です。神田のビジネス街に、お昼時になるとふわりと漂う極上の出汁と鶏を焼く香ばしい匂い。その香りに吸い込まれるように店内へ。
職人技を目の前で楽しむ、L字カウンターの特等席
お店の扉を開けると、そこには使い込まれたL字のカウンター席。大通りから一本入った商店街にありながら、店内には凛とした、それでいて温かい空気が流れています。

「伊勢ろく」のランチといえば、なんといっても数量限定の「親子丼」。売り切れ次第終了という潔さも、期待を高めてくれます。カウンターに座ると、目の前では熟練の職人さんが無駄のない動きで鍋を振っています。この「待っている時間」こそが、専門店を訪れる醍醐味です。
ほどなくして、まずはお吸い物とお漬物が運ばれてきました。驚いたのが、お吸い物の香り。芳醇な香りが鼻を抜け、親子丼への臨戦態勢が整います。鶏の出汁がしっかりと滲み出たスープは、これだけでも十分なご馳走。なんとこのスープはおかわり自由ですので、心ゆくまで堪能してください。

蓋を開けた瞬間に広がる、黄金色の芸術
メインの親子丼が着丼すると、ぶわっと広がる卵と出汁のやさしい香り。そこには、福島県産の銘柄鶏「伊達鶏」と、産卵後3日以内の新鮮な卵が織りなす黄金色の世界が広がっています。中央に添えられた三つ葉の緑が鮮やかで、視覚からも食欲をそそられます。

あまりのとろとろ感に、スプーンも提供していただけます。卵はまさに半熟の極み。とろ~りとした層が、絶妙な硬さに炊き上げられたご飯を優しく包み込んでいます。
厳選された「伊達鶏」とこだわり抜いた出汁の調和
使われている鶏肉は、生後3〜6か月の伊達鶏の雌のみ。朝びきの新鮮な肉は、プリッとした弾力がありながらも驚くほど柔らかいんです。

味付けは甘すぎず、しょっぱすぎず。鶏ガラスープと醤油ベースのかえしが、それぞれの具材の良さを引き立てる上品な塩梅で、老舗ならではの奥深さを感じます。細かく刻まれた三つ葉が散らされているのも嬉しいポイント。さらに、パンチの効いたお漬物が良い箸休めになり、全体のバランスを完璧に整えてくれています。
飲むように完食してしまう、一体感の魔法
こちらの親子丼は出汁が多めで、ご飯が少ししっとりとしています。そのため、噛み締めるというよりは、もはや「飲む」に近い感覚。素材の旨味が三位一体となって喉を通っていく心地よさに、気づけば一瞬で完食していました。

創業70年を超える伝統を守りながら、980円という良心的な価格でこれほどまでのクオリティを提供し続ける姿勢には、プロのこだわりを感じます。しっかりとした食べ応えがありながら、食後は不思議と体が軽やか。良い素材と丁寧な仕事が、体の中から元気をくれるようです。
神田駅西口から徒歩5分。ビジネスの合間や、神田歩きを楽しみたい日のランチに。「幸せの蓋」を開けに、ぜひ足を運んでみてください。
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