ゴミ収集の光景

ゴミからリチウム電池だけ見抜く!?神戸大学発のスタートアップが奇跡の神システム開発!

By - emogram編集部
ライフ

「リチウムイオン電池」と言われても、どの電池のことか分かりづらい…という方もいるかもしれませんが、「充電池」と言えばたいていの方は理解してくださるのではないでしょうか。

今や私たちの生活とは切っても切れない関係にあるリチウムイオン電池は、通常の電池と同じように家庭ゴミとして捨てることはできません。

しかしながら、通常の電池と同じように、あるいは何気なくポイッと捨ててしまう方もいるようです。

その影響か、ここ最近では「ゴミ収集車をはじめとしたゴミ処理施設での発火事故」が相次いでいます。

神戸大発のスタートアップ企業が立ち上がった

そんなニュースを受けて、神戸大学発のスタートアップ企業であるIntegral Geometry Science(兵庫県神⼾市、略称IGS)が、廃棄物に混入するリチウムイオン電池を検出する「リチウムイオン電池検知システム」を開発し、4月21日より発売を開始したことを発表しました。

同社は「波動散乱の逆問題」という応用数学史上の未解決問題を2012年に解決した木村建次郎博士が代表取締役を務めています。

この問題は、電磁波や超音波などの〝波動〟が物体に散乱した際の〝散乱波〟から、物体の形状や構造を推定する問題です。この問題は、入力から出力を求める「順問題」の逆であり、応用数学史上の未解決問題として知られていました。

この高度で難しい問題を解決したことにより「散乱の逆問題の解法及び画像化法」が日米中欧などの世界各国で認められ、特許を取得。この研究成果を社会実装するため、2012年に設立されたのがIGSです。

同社は神戸大学インキュベーションセンターに研究開発拠点を置き、透視技術の研究開発と実用化に取り組む一環として、IGSが創り出した世界初の計算理論と量子効果センサーにより、不燃ごみの中からリチウムイオン電池を検知することを可能にしたそうです。

また、同システムは、放射線を使用していないため放射線管理区域やX線技師などの専門家を必要としません。そのため、従来のごみ処理施設にカスタマイズし導入することで、導入コストに加え人的コストの低減も図れるとのこと。

難しい理論はわからなくても、今すぐにできることもある

数多くのゴミ処理施設で一刻も早くこのシステムが導入され、事故が減ることを祈るばかりです。

ただ、それ以前に私たちにもできることがあります。

それは、リチウムイオン電池を破棄する際に、それぞれの地域でどのように処理すれば良いのかを調べ、その通りに「捨てる」こと。

ひと手間がかかりますが、それが人命を守る一助となるので、ぜひ調べてみてくださいね。

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