人工哺育で育ったニホンザルの「パンチくん」が話題になり、全国から多くのファンが詰めかけるようになった千葉県の市川市動植物園。しかし、その人気の裏で、パンチくんやほかのサルを心配するあまり寄せられる過剰なクレームや問い合わせ、さらにはサル山への侵入事件など、園は数々の激しい嵐に直面してきました。この激動の4カ月を、トップである安永崇課長はどんな想いで舵取りしてきたのか。市川市動植物園がこれほどまでに人々を惹きつけてやまない「理由」を紐解きます。
すべては「守る」ために。徹底された現場ファースト
安永課長の言葉を振り返ったとき、その根底に一貫して流れているのは「動物園の日常を守る」という強い意志でした。それは、動物たちがいつも通り平穏に過ごせることであり、ひいてはそのために最前線で働く飼育員たちの日常や権利を守るということでもあります。
安永課長:「特にサル山担当の2人の飼育員は、注目されるが故に大変なこと
ほとんど休みなしという過酷な状況ですら「ワクワクする」と笑顔で語る安永課長。その強さの理由については、「動物ファーストというスタンスが一切ブレないからです」と答えていました。安永課長がブレることなく動物ファーストを守り抜く、だからこそ現場も迷うことなく、動物たちの命とまっすぐ向き合うことができるのでしょう。
SNSを「温かい場所」にするための挑戦
ネット上の殺伐とした文字のやり取りではなく、SNSを温かな場所にしたい。安永課長のそんな思いから始まったのが、市川市動植物園公式Xの人気企画「パンチをさがせ」でした。
これは、広いサル山の写真の中から、小さなパンチくんがどこに隠れているかを探すというもの。投稿の翌日には答えが投稿され、ファンがリプライ欄でワイワイと盛り上がる名物企画となっています。
安永課長:「ネットってどうしても殺伐としがちで、文字の受け取り方しだい
市川市動植物園の公式Xは、それぞれのエリアの担当飼育員が日々の様子を更新しているそうですが、その後もさまざまな企画が登場。例えば最近では、アルパカの名前を当てる「アルパカクイズ」やワオキツネザルの「オージロウをさがせ」といった遊び心あふれる企画が次々と飛び出し、フォロワーとの温かな輪が広がっています。
私たちが「市川市動植物園」に足を運びたくなる理由
世界的なブームを呼んだ、市川市動植物園のパンチくん。いまも多くのファンがSNSを通して、もしくは実際に現地に足を運んで、群れ入りに向けて奮闘中のパンチくんを見守り、応援しています。
安永課長:「パンチが広まったきっかけはSNSでしたが、それが途方もなく
市川市動植物園がこれだけ多くのファンを惹きつける理由は、安永
パンチくんをアイドル扱いしない、商業化しない。人工哺育から群
ライターコメント
実際に市川市動植物園に足を運んだことのある人ならお分かりいただけると思いますが、想像をはるかに超えた、とても小さな動物園です。パンチくんのいるサル山が園内でダントツで大きく感じられるほどこぢんまりとしていますが、その素朴な雰囲気がたまらなく居心地よく感じられます。SNSをきっかけに今や世界一有名なサル山となりましたが、園を包む温かい空気や、これからも地域に愛され続ける市川市動植物園の魅力はきっと変わらない。安永課長のお話を聞きながら、そんな確信を得ることができました。
<ライタープロフィル>ゆんち
2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。
現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。






