サル山のパンチくん=千葉県の市川市動植物園(撮影:ゆんち)

市川市動植物園がサル山の頭数管理について公式声明を発表、ベビーラッシュの背景と今後の計画

By - emogram編集部・ゆんち
アニマル

千葉県の市川市動植物園は6月29日、新しい命の誕生が相次いでいる「サル山」の頭数管理について、これまでの経緯と今後の計画に関するレポートを公式Xで発表しました。これは、来園者やファンから寄せられた「現在のニホンザルの頭数は増えすぎではないか」という心配の声に応えたものです。

ベビーラッシュの理由は?頭数制限を行わなかった背景

パンチくん人気で市川市動植物園のサル山に注目が集まる中、今年は春から15頭もの赤ちゃんが誕生し、現在11頭の赤ちゃんが育っています。

これについて、「こんなに生まれて大丈夫なの?」「計画は?」といった声があったようですが、そもそもこのベビーラッシュには理由があったようです。

公式Xより:「2026年の計画については、長期の使用を踏まえ繁殖抑制剤の休薬を実施したこと、サル山担当者が交代し、サルの性行動について観察させる必要があったこと、そして2025年7月にパンチが生まれ、人工哺育となったことを踏まえ、年少の個体がいた方がパンチの群れ入れに有効と思われること、の理由により繁殖制限を実施いたしませんでした」

園の説明によると、これまでは頭数を管理していましたが、今年はあえてその制限を行わなかったそうです。その理由の一つには、人工哺育で育ったパンチくんの群れ入れを成功させるために、年齢の近い仲間たちがいた方が良いという判断もあったそうです。

サル山のパンチくん=千葉県の市川市動植物園(撮影:ゆんち)

多頭出産は想定内、現在のサル山の環境について

公式Xより:「もとより、この多頭出産は私たちの想定の範囲内の出来事です。過去には現在を上回る個体数を飼育した経験もあることから、2026年現在の個体数がサル山にとって著しく過剰でストレスフルな環境であるとは考えておりません」

SNSなどではサルの急増を心配する声もありましたが、このベビーラッシュは園にとって十分に計画され、想定されていた出来事だったそうです。

同園には過去にも現在以上の頭数をしっかりと育ててきた豊富な経験があるため、今のサルの数が、サル山にとって著しく過剰だったり、過度なストレスを与えたりする環境にはあたらないことを伝えています。

これからのサル山と、より快適な環境づくりのための計画

公式Xより:「当園としては今後しばらくの期間、サル山での繁殖はほぼ無いか、ごく少数とするような繁殖計画としております。折しも、先日市川市議会にて議決された補正予算の中に『バックヤードの拡張』に関する経費が計上されました」

日本動物園水族館協会(JAZA)からのアドバイスも受け、園はさっそく、サルたちの未来のための「新しい計画」を始動させています。

■しばらくは、新しい繁殖をお休みすること 今いる赤ちゃんやおさるさんたちを最優先で大切に育てるため、これからは無理に数を増やさず、みんなを見守る期間に入ります。

■予算を使って、バックヤードを広くすること 先日、市議会で認められた予算を使い、おさるさんたちの住む場所をぐっと広げる準備を始めます。

この計画は、将来的にはサル山全体を新しく作り直したり、サルがのびのびと遊べるような楽しい仕掛け(環境エンリッチメント)をたくさん取り入れたりするための、改造のスタートラインになります。

すべては、パンチくんをはじめとするサル山の仲間たちが、これからもっと快適に、もっと幸せに暮らせるようにするため。市川市動植物園の新しい挑戦が、今、始まっています。

ライターコメント

心配していたファンに向けて、こうして丁寧な説明を発信してくれる市川市動植物園の姿勢は素晴らしいと思います。今年のベビーラッシュが、実はパンチくんの群れ入れを成功させるための「同世代の仲間づくり」という意図も含んでいたと知り、胸を打たれました。先日可決された補正予算によるサル山の改修やバックヤードの拡張も、すべてはこれからの快適な環境づくりのための一歩です。パンチくんをはじめ、サル山で暮らすすべてのニホンザルたちがのびのびと幸せに暮らせるよう、これからも応援したいと思います。

<ライタープロフィル>ゆんち

2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。

現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。

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