多くの生き物を飼育する水族館として、たくさんの来館者で賑わう三重県鳥羽市の「鳥羽水族館」。この施設で暮らしていたメスのラッコ「キラ」が、11月5日午前10時40分、18歳で天国へ旅立ちました。これにより国内で飼育されるラッコは、同館で暮らす「メイ」のみとなりました。
和歌山県生まれ、2021年に鳥羽水族館へ
キラは2008年4月21日、和歌山県白浜町の「アドベンチャーワールド」で、父「カン」、母「フローラ」の間に生まれました。2021年3月17日、多頭飼育を目的として鳥羽水族館に入館。以来、同館でラッコのメイとともに暮らしてきました。

「メイ」との暮らし、ゆったりマイペースな人気者
キラはゆったりとしたマイペースな姿で、多くの来館者に愛されてきました。今年4月には18歳を迎え、高齢ながらも元気に過ごしていたといいます。

体調の変化と、最期まで見せた「キラらしさ」
2026年8月ごろから足腰に不安が見られるようになったキラ。飼育担当者と獣医師が検査や経過観察を続け、手厚いサポートを行ってきました。
11月4日には治療やケアを優先し、展示を中止。5日午前7時ごろに体調の急変が確認され、治療室に移して保温や酸素吸入、投薬などの処置を行いましたが、容態は改善せず、同日午前10時40分、飼育係に見守られながら息を引き取りました。
死因は呼吸不全による心肺停止と推測されており、今後、病理検査などで詳しい原因が調べられる予定です。

同館の公式Xでは、担当者の話として「キラの愛らしい姿は、多くの人にラッコの魅力を伝え、広めてくれたと感じています。亡くなる前日には寝転びながらもご飯を食べ、いらなくなったら首を横に振り、最後までキラらしい姿を見せてくれたと思います。最期は、担当者とメイも近くにいる状態で、みんなに見守られながら息を引き取りました」と投稿されています。

国内で飼育される唯一のラッコとなったメイ
鳥羽水族館で飼育するラッコは、22歳の「メイ」1頭となりました。国内でも、飼育下のラッコはメイのみです。メイに変わった様子は見られないとのことですが、しばらくは観察とケアを続けるため、ラッコの展示は引き続き中止されています。

また、献花や供物、担当飼育係への贈り物の受け取りは一律で控えるとのことです。キラへのメッセージを綴れる「メッセージボード」が、近日中に館内に設置される予定です。
■鳥羽水族館:公式サイト
ライターコメント
「いらなくなったら首を横に振り」という一文に、キラの日々のしぐさが目に浮かぶようでした。亡くなる前日まで、いつもと変わらない様子を見せてくれていたというのが、読んでいて胸に残ります。もう1頭のラッコ、メイのこれからの日々を、引き続き見守っていきたいと思います。
<ライタープロフィル>ゆんち
2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。
現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。
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