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初の出生数70万人割れ SNSは「怒哀」9割「政治の力では止められない自然現象」

By - emogram編集部
喜怒哀楽

厚生労働省が4日に発表した2024年の人口動態統計(概数)で、1年間に生まれた日本人のみの子供の出生数は前年比5.7%減の68万6061人となり、初めて70万人を割り込みました。

1人の女性が生涯に産む子供の数を示す合計特殊出生率は2023年の確定値から0・05ポイント減の1・15となり、2年連続で過去最低を更新。少子化が急速に進んでいる現状が改めて浮き彫りとなりました。

過去最大の減少幅

出生率と出生数はともに9年連続の減少となりました。出生数から死亡数を引いた人口の自然増減は91万9237人減で、過去最大の減少幅を記録しました。自然増減の減少は18年連続となります。

SNS上の感情

出生数が初めて70万人を割り込んだニュースに対し、SNSでは投稿が相次ぎました。

emogram編集部では、このニュースに対するSNS上の感情を独自に分析しました。

感情分析の結果は以下の通りです。

  • 「怒」(約5.5割)
  • 「哀」(約3.5)
  • 「喜楽」(約1割)

主な「怒り」の声(約5.5割)

「物価高に増税ラッシュに将来の日本への不信感」

「将来が不安しかない」

「生きていることが素晴らしいと思える時代ではない」

「日本の政策を担ってきた政府の責任は非常に大きい」

「今の子供たちは、社会に出て行く時には今より悪い状況を生きることになる」

主な「哀しみ」の声(約3.5割)

「政府の動きが日本人をどんどん肩身の狭い、苦しい環境に置こうとしてる」

「規制緩和による労働環境の変化が大きく影響している」

「日々の生活に追われ、将来への希望や余裕を持てなくなっている」

「これから良くなると言えるような状況にはない」

「男女ともに自由を求める人が増えた」

まとめ

今回の分析では、出生数が初めて70万人を割り込んだことに対し、SNSでは「ここまで悪化するともう少なくとも向こう半世紀ぐらいは出生率低下が止まらない」「人口減少は政治の力では止められない自然現象」と悲観的な見方が大半を占めました。

都道府県別の合計特殊出生率が最も高いのは沖縄県の1・54で、次いで福井県が1・46、鳥取と島根、宮崎の3県が1・43と続きました。最も低かったのは東京都の0・96で、2年連続で1を割り込みました。宮城県が1・00、北海道が1・01となるなど東日本ほど低く、西日本で高い「西高東低」の傾向となっています。

高度成長期の日本は、生産年齢人口(15~64歳)が従属人口(14歳以下と65歳以上)を大きく上回る状態で、経済成長にプラスに作用する「人口ボーナス」という現象が見られました。一方、現在の日本は、少子高齢化が進み、生産年齢人口に対する従属人口の割合が上昇、社会保障費の負担が増加したり、労働力不足が深刻化したりすることで経済成長が阻害される「人口オーナス」という状態にあると言われています。

今後も晩婚化や少子高齢化などから、人口のさらなる減少は避けられない情勢で、SNSでは「今の日本の制度では、子供を複数人育てるのが経済的にあまりにも大変過ぎる」と、政府による抜本的な子育て対策を求める声なども相次いで投稿されていました。

>1~3月のGDPが4期ぶりのマイナスに、SNSは怒りの声が席捲「意地でも成長させない政策」

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