YouTube「市川市公式チャンネル」より

「ブームはいつか終わる。だからこそ今―」安永崇課長が語る、市川市動植物園「20年先」への展望

By - emogram編集部・ゆんち
アニマル

人工哺育で育ったニホンザルのパンチくん。オランウータンのぬいぐるみを引きずるかわいい姿がSNSで爆発的な人気を呼び、かつてない賑わいを見せている市川市動植物園(千葉県)。しかし、その喧騒の真ん中に立っていた市川市動植物園の安永崇課長の視線は、すでに「その先」の未来を見据えていました。

「かわいいパンチ」はいずれ見られなくなる

ひときわ小さな体で、群れ入りを目指して奮闘するパンチくん。その姿に会いたくて、いまも市川市動植物園のサル山ではたくさんの来園者がカメラを構えます。安永課長は、そんな現状を冷静に、感謝を持って受け止めています。

安永課長:「パンチのいまのようなブームは、いずれ終わると思ってます。群れ入りがうまくいくかどうかはまだわかりませんが、少なくともオランウータンのぬいぐるみと歩いているパンチは、すでにほとんど見なくなりました。もちろん、そういうかわいいパンチが見たくて来てくださるのは本当にありがたいことだと思っています」

パンチをきっかけに、この園の「魂」に触れてほしい

安永課長の本当の願いは、パンチくんを入り口にして、市川市動植物園全体に流れる「温かな空気」に気づいてもらうことにあります。

安永課長:「きっかけはパンチに会いに来ることだったとしても、スタッフが来園者に声をかけたり、動物と一緒に散歩してるようなところを見ていただいて、『あ、この動物園ってとってもアットホームで、すてきな動物園だな』ということを知っていただき、ファンになってもらえたらうれしいなと思います」

40年の節目。1段階「レベルアップ」するチャンス

市川市動植物園の年間来園者数は、過去40年間にわたって20万人から25万人程度で推移してきました。安永課長は今、その歴史を塗り替える絶好のチャンスが来ていると感じています。

安永課長:「今回ファンになってくださった方のうち、1割でも2割でもいいので、今後も定期的に来てくださるファンになっていただければ、来園者数のベースを1段階引き上げることができるのではないかと」

来園者数の爆発的な伸びも、大歓迎だと話す安永課長。しかし、重要なのはその後だといいます。

安永課長:「そのうちのどれだけの方を、この後の20年、通ってくださるファンにできるかが重要だと感じています。そういう意味で、いまはパンチにチャンスをもらっているんだ、という思いでいます」

変化する客層。「個」から「物語」への応援

最近、来園者のパンチくんへの眼差しに変化を感じるという安永課長。

安永課長:「これまでは『パンチがかわいい』という方が大半でしたが、いまはパンチにお友達ができたとか、年老いたサルが心配だとか、パンチを巡るサイドストーリーに着目して、応援してくださる方が増えた気がします。パンチのことをちゃんとわかったうえで、応援したいという温かなファンの方がいらっしゃるんです」

単なる「珍しいもの」を見る目ではなく、一頭のサルとその周辺にも目を向け、その歩みを見守る温かなファンたち。パンチくんが繋いだこの絆こそが、市川市動植物園が次の20年を歩むための、何よりの力になっていくのではないでしょうか。

ライターコメント

パンチくんの人気を一過性のブームで終わらせず、市川市動植物園という場所が市民の人生に寄り添う「アットホームな居場所」であり続けるための土壌に変えていく。今、私たちがパンチくんを見て流す涙や笑顔は、そのまま市川市動植物園の未来を創る一票になっているのだと感じました。

<ライタープロフィル>ゆんち

2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。

現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。

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