ゴールデンウィークの足音が聞こえてきた4月28日(火)の夕方。NHKのラジオ番組「Nらじ」のニュース深堀りコーナーで、『子ザル・パンチが大人気! 〝がんばれパンチ〟に込めた思い』と題した特集が放送されました。番組には、パンチくんブームの〝仕掛け人〟である市川市動植物園(千葉県)の安永崇課長も収録で登場。emogramでもこれまで紹介してきた安永崇課長の〝熱い想い〟が全国のリスナーに届けられました。
パンチくんに「専用の看板」がない理由
番組の冒頭、現場を取材したディレクターから「これだけ話題になっているのに、園内にパンチくんの看板がない」ということが明かされました。その理由は「パンチだけを特別扱いしたくない」という市川市動植物園の方針によるもの。
園内に来ていた来園者へのインタビューでは、「成長を見るのが好きで10回以上来ている」というファンや、「市内から30年ぶりに来た」という地元の人の声も放送され、パンチくんが多くの人々を惹きつけていることが伝わってきました。
「地元大好き安永課長」がハッシュタグに込めた願い
「生まれも育ちも市川です、地元大好き人間として頑張っています」と自己紹介した安永課長。安永課長は、録音された声で出演。番組内では今年2月、安永課長が考えた「#がんばれパンチ」というハッシュタグについて紹介されました。
「#がんばれパンチ」というハッシュタグには、安永課長の2つの思いが込められています。1つは人工哺育で育てられ、サルの群れに戻るために頑張るパンチくんへのエール。そしてもう1つは、「人工哺育を頑張ってきた飼育員に励みにしてほしい」という、安永課長からの思いが込められていたのです。
安永課長:「人工哺育を行いながら飼育員も頑張ってきました。またパンチも群れの中でほかのサルにしつけられたりする中、『しゅん』とすることなく、ほかのおサルさんたちにコミュニケーションを取ろうと頑張ってきました」
群れ入りを目指して奮闘するパンチくんと、そしてパンチくんを支える飼育員への思いを、7文字の「#がんばれパンチ」に込めたのです。

「パンチにチャンスをもらっている」
番組の中では、安永課長の心に残ったSNSの投稿についての話題も触れられました。
安永課長:「例えば船橋にはふなっしーがいたり、浦安にはディズニーリゾートがあったり、でも市川市にはこれといったものがなかったんです。でも今回、市川市にはパンチがいた、パンチありがとう、そんなことは私が一番言われたかったことです。とっても嬉しかったですね」
担当ディレクターは、安永課長が公務員として市川市の活性化のために奮闘してきたことも紹介。市川市に住む人の多くが週末の買い物でも都内に行くパターンが多く、地元への関心が薄いことからイベントを開催しても集客に苦戦してきたことを説明しました。
安永課長:「これまでどおり市川市動植物園に来た帰り、パンチを見に来た方の1割でも、地元の商店街に寄っていただけたら。そんな意味では、いま我々はパンチにチャンスをもらっているのだと思っています」
規制ではなく「共感」で守る動物ファースト
来園者が急増する中で、サル山の周辺では叫んだり身を乗り出してパンチを見ようとする人もいましたが、そういった状況に対しての安永課長の対応も紹介されました。厳しく規制をかけるのではなく、SNSで「観覧時の標語」を募集したエピソードです。
安永課長の呼びかけに、SNSでは「パンチくん うしろのファンも 見てみたい」など、300件もの標語のアイデアが集まりました。
安永課長:「SNSの中で、みんなでルールの呼びかけをしたいと思いました。来園者の方と向かい合うのではなく、同じ方向を向いて、パンチやほかの動物たちを見守っていきたい。そういう気持ちで募集しました」
また特集の終盤、安永課長はパンチくんの今後について、「食事のときに飼育員にパンチがぴょんと飛びつくなど、信頼していることの証明です。しかしいつまでもこの状態がいいわけではなく、だんだんパンチがしがみつかなくなる(自立する)ことを望んでいます」と話していました。
放送から1週間は「聞き逃し配信」でチェック!
記事で紹介したのはほんの一部。安永課長の熱意あふれる生の声や、現場のリアルな空気感を味わえるこの放送は、公式サイトの「聞き逃し配信」で聴くことができます。
ライターコメント
取材でお会いするたびにその熱量に圧倒される安永課長ですが、ラジオから流れてくる「地元大好き人間です」という弾んだ声を聞いて、改めてそのお話の魅力に引き込まれました。「#がんばれパンチ」に飼育員さんへのエールも含まれていたことや、あえて看板を立てない「特別扱いしない」姿勢など、聴きどころ満載です。
<ライタープロフィル>ゆんち
2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。
現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。






