27日、Xのトレンドに上がった「勉強禁止」というパワーワード。
それは、図書館での勉強禁止という方針に対する驚きと批判を表すものでした。
資料の閲覧、調査、研究が目的の施設
各自治体が運営している図書館は、本来、資料の閲覧、調査、研究を目的とした施設であり、多くの施設では、自習について、本来の目的とは異なる利用とみなされています。
図書館の席は、資料を閲覧するためのものであり、受験勉強など長時間にわたる自習は他の利用者の迷惑になる恐れがあることから、多くの図書館では自習が禁止されています。一部の図書館では、自習用の部屋を設けている場合もあります。
27日、Xで「勉強禁止」が大きな話題となったことを受け、SNSでは受験生とみられる人たちからのコメントが相次いで投稿されています。
SNS上の感情
emogram編集部では、この話題に対するSNSの声を独自に分析し、ポジティブ、ネガティブの占める比率を割り出しました。
- 「ポジティブ」(約3.5割)
- 「ネガティブ」(約6.5割)
主な「ポジティブ」の声(約3.5割)
「『図書館でやかましく騒ぐ』というのは『ときめきメモリアル』でデートスポットに使っても漏れなく相手の好感度が下がるNG行為」
「勉強どころかついでに寝てるやつとか大量に沸いてます」
「平塚市の図書館には勉強するだけの机が30くらいはあったよ」
「目的外利用だったのを大目に見てもらってた」
主なネガティブの声(約6.5割)
「図書館の存在自体を否定する話ですよね」
「カフェでもダメ、図書館もダメ、家庭環境などで家で出来ない。では、どこで…?」
「勉強するのが困難なの、それこそ公益損ねるしかない」
「うちの近所の図書館も勉強禁止でびっくりしたな…なんか悲しかった」
「有料勉強スペースは決して安くは無い」
「家庭環境が全てになってしまった」
まとめ
今回の分析では、図書館で勉強することの意義を主張する声が多い一方、座席の長時間占有や目的外利用に対する問題を指摘する声も見られました。とりわけ図書館の本来の目的である蔵書の閲覧・調査という役割を守るべきという意見と、持ち込みによる自習を認めるべき声の対立が議論の中心となっていることも分かりました。
ライターコメント
図書館は調べものをする場所で、施設内に用意してある座席は、持ち出しに困難な分厚い本を書き写したり、調べたりする用途で設置されたものという位置づけだそう。図書館が、いつから「勉強する場所」というイメージが定着したのかは判然としませんが、本来の使用目的との乖離を是正し、家以外に勉強場所が限られるという社会の問題にどう向き合うのか。そうした議論のきっかけとなりそうな話題だと思いました。