和歌山県白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」で飼育されてきた雌のジャイアントパンダ全4頭が28日、中国に返還される日を迎え、パンダをのせた2台のトラックが午前8時45分過ぎに園を出発しました。航空チャーター便で四川省の繁殖研究施設へ向かいます。
園では、園長やスタッフら約300人が4頭を見送りました。駐車場や車両出入り口前には、大勢のファンが待ち受け、寄せ書きをした横断幕を持った人もおり、トラックに手を振りながら「元気でね」「気をつけてね」と声をかけていました。
国内でパンダが見られるのは2頭を飼育している東京・上野動物園だけになります。
SNS上の感情
白浜のパンダ4頭が中国へ2台のトラックで施設を出発したというニュースに対し、SNSでは投稿が相次ぎました。
emogram編集部では、この話題に対するSNS上の感情を独自に分析し、ポジティブとネガティブの比率を割り出しました。
感情分析の結果は以下の通りです。
主な「ネガティブ」の声(65%)
「中国はパンダを外交ツールとして利用している」
「高額なレンタル料がかかっている」
「残念でならない」
「パンダを政治利用するべきではない」
主な「ポジティブ」の声(35%)
「パンダの返還は寂しいが、高額なレンタル料を考えると妥当」
「 パンダ以外にもアドベンチャーワールドには魅力がある」
「故郷に帰ることになる」
「これまでに経済効果が得られた」
まとめ
今回の分析では、白浜のパンダ4頭が中国に帰国するというニュースに対して、ネガティブな意見が優勢で、とりわけ中国がパンダを外交ツールとして利用していることに対する批判がほとんどでした。一方で、パンダの返還は寂しいが、高額なレンタル料を考えると「妥当だ」という意見のほか、飼育員や関係者の心情を思いやる声などが寄せられていました。
ライターコメント
アドベンチャーワールドは1994年、ジャイアントパンダの保護に関する共同プロジェクトを中国側と開始し、雄の永明など2頭が来園。永明は良浜との間に結浜、彩浜、楓浜を含む10頭、別の雌との間に6頭の子をもうけました。永明が2023年に帰国して以降、アドベンチャーワールドで暮らすパンダは雌だけになっていました。
4頭の帰国で、日本国内で飼育されるジャイアントパンダは上野動物園のシャオシャオとレイレイの2頭だけになります。ただ、その2頭の協定期限も2026年2月20日までで、残り8カ月ほどしかありません。このニュースを聞いて、国内で見られるうちに、貴重なパンダの姿を目に納めておきたいと思ってしまいました。