冬の味覚の主役、ミカン。家族でこたつを囲んで楽しむ穏やかな時間に、驚きの「珍客」が現れました。

この写真をXに投稿したのは、りんご農家を営むリンゴ殿下さん(@ringoman1030)。小さいながらも、完璧な形をした〝赤ちゃんミカン〟が、親ミカンの上にかわいくちょこんと乗っています。
「指が入らない」違和感の先にあった驚き
リンゴ殿下さんにお話を伺ったところ、このミカンはJAタウンを通じて取り寄せた、JAにしうわ(愛媛県)産の高級ミカン「甘平(かんぺい)」の家庭用なのだそうです。
リンゴ殿下さん:「ほかのミカンより一回り大きいものがあり、子供たちがいつものように真ん中に指を入れて剥こうとしたのですが、何かが詰まっていて指が入らない…と言うんです。それで私に回ってきたんですが…」
リンゴ殿下さんが不思議に思いながら皮を剥き進めると、この小さなミカンが中から現れたといいます。
リンゴ殿下さん:「中から小さな皮付きミカンが出てきて、子供たちは大喜びでした。私自身もりんご農家で、変わった形のリンゴはよく見ますが、このミカンには本当に驚きました」

なぜミカンの中にミカンが?「二重果(にじゅうか)」の正体
この不思議な現象について、農林水産研究所果樹研究センターの栽培開発室長、大西論平さんに伺いました。
大西さんによれば、これは専門用語で「二重果(にじゅうか)」と呼ばれる現象なのだそうです。通常は一つの花から一つの実が育ちますが、何らかの要因により「予備の房」が内側に作られてしまうことで発生します。
実はこのミカンが「甘平」だったことが、赤ちゃんミカンができた可能性が高いと言います。というのも、甘平は祖先に「ネーブルオレンジ」を持つ品種なのですが、ネーブルオレンジはこの二重果をそもそも持っているというのです。
確かにそう言われてみれば、ネーブルオレンジの「おへそ」の部分に、小さな房が付いてますよね!あれはミカンの赤ちゃんだったのですね。
大西さん:「ネーブルオレンジを祖先に持つので、今回のように二重果(赤ちゃんミカン)ができたのだと思います。ただ、一般的には二重果ができると形が崩れて割れてしまうことも多いため、出荷されないことが多いです。なので、あまり市場には出回らないので珍しいと思います」
ミカンの専門家である大西さんも、ときどき赤ちゃんミカンを見るそうで、「甘平」のほか、愛媛の「紅まどんな」という品種も祖先にネーブルオレンジを持つことから二重果ができることがあるそうです。
ちなみに、食べても大丈夫なのでしょうか…
大西さん:「大丈夫です!」
「農家」がつなぐ食の面白さ
この投稿は思いのほか大きな反響があったそうで、リンゴ殿下さんは「皆さんの反応を見て、やはり珍しいことなんだなと実感しています」と話してくれました。そして一言…
リンゴ殿下さん:「本業はりんご農家なので、いつか自分の作るりんごでも、これくらい皆さんに驚きと喜びを届けられるような発信ができれば嬉しいですね」
ライターコメント
リンゴ殿下さんの写真を見て、私も小さな頃にこの〝赤ちゃんミカン〟に当たって大喜びしたのを思い出しました。最近はあまり見かけなくなった気がしていましたが、かわいい写真を見るとはやはり心躍りますね。皮を剥くまでは分からない「自然のサプライズ」を、私も久しぶりに体験してみたくなりました。
<ライタープロフィル>ゆんち
旅、食、釣りが好きな脱力系ライターです。田舎の町が好きで、旅先では温泉に入ったりおいしいものを食べたり、ぼーっと海を眺めたりして過ごしています。長年、取材の傍ら飲んで旅して釣りをして…という日々を過ごしていましたが、2人の子供を出産後、教育や健康、ライフハックにも目覚め、現在は期間限定で禁酒中。「趣味を仕事に!」をモットーに、新商品や旅行、ファッション、グルメなど、気になったことを記事にしていきます。












