日産自動車の内田誠前社長ら執行役4人の退任に伴う報酬が計6億4600万円だったことが27日、判明しました。日産が27日公表した株主総会の招集通知の中で開示されました。
その他3人の退任執行役は、星野朝子氏、中畔邦雄氏、坂本秀行氏です。日産は個別の報酬額については開示していません。
内田前社長らは、業績悪化やホンダとの経営統合協議の破談を受けて3月末に退任しました。
2025年3月期は6708億円の赤字
日産が5月13日発表した2025年3月期連結決算は純損益が6708億円の赤字(前期は4266億円の黒字)に転落しており、大規模な合理化で過剰な設備と人員を適正化して、業績の抜本的なテコ入れを目指すとしています。
日産は同時に、2027年度までに国内外の7工場を閉鎖すると発表。車両の生産工場を17から10に統廃合して、中国を除く世界の生産能力を約3割落とす計画です。
これにより2027年度にかけて国内外のグループ従業員の約15%に当たる2万人も削減するとしています。
SNS上の感情
内田前社長ら退任執行役におよそ6億4600万円の報酬が支払われたニュースに対して、SNSでは投稿が相次ぎました。
emogram編集部では、この話題に対するSNS上の感情を独自に分析し、ポジティブとネガティブの比率を割り出しました。
感情分析の結果は以下の通りです。
- 「ネガティブ」(約9.5割)
- 「ポジティブ」(約0.5割)
主な「ネガティブ」の声(約9.5割)
「業績悪化させても、リストラしなければならない状況でも、その責任者は高額な退職金をもらうのですね。持ち逃げみたいですね」
「経営悪化したのは経営陣役員の責任が8割以上だろ、報酬は一般の社員並みに下げてもいいのでは」
「むしろこれまで貰った高額報酬を返金するのが責任の本筋だ、辞め得は許せない」
「これだけの損失を出しておきながら、よくも満額を報酬を貰えたものだわ」
主な「ポジティブ」の声(約0.5割)
「外資ではこれが普通。結果がダメだから平社員のような扱いではより良い人材が経営陣に集まらない」
まとめ
今回の分析では、巨額な赤字に陥った責任を取り日産を退任した執行役に計6億4600万円もの報酬が支払われたことに対して強い怒りや批判の声が支配的でした。リストラされる一般社員との待遇格差への憤りのほか、 経営責任を取らず「辞め得」になっていることへの批判、 このような企業体質が日産の経営悪化の根本原因だとする指摘など、ネガティブな反応が圧倒的多数を占めました。
ライターコメント
日産は13日の決算発表で、世界で7工場を閉鎖し2万人を削減する計画を公表するなど、低迷する業績の抜本的なてこ入れを急いでいる状況です。既に国内では追浜工場(神奈川県横須賀市)と子会社「日産車体」の湘南工場(同県平塚市)の閉鎖も含めた検討に入るなど、合理化策の具体化に向け取り組んでいます。そうした中で、今回、退任した執行役4人に巨額の報酬が支払われていた事実が判明したことに対し、日産の従業員はどんな感情を抱いているのでしょうか。思いをはせるだけで胸が痛みます。