伊豆・下田の海に面した「下田海中水族館」。イルカとの距離が近く、アットホームな雰囲気で知られるこの水族館のスタッフたちが今、一頭の小さき命を守るため、懸命な奮闘を続けています。
荒波の中、スタッフが抱えて沖へ
事の始まりは、水族館近くの海岸で見つかった一頭のスジイルカです。3月18日午前10時30分ごろ、浜辺に打ち上げられているのが見つかり、同館のスタッフが急行。発見時、イルカはすでに衰弱しており、自力で泳ぎ出すのが難しい状態でした。
スタッフたちは、少しでも早く海へ返してあげたいという一心で、冷たい波の中、イルカの体を支えて沖まで連れて行き、自力での遊泳を促しました。しかし、弱った体は波に押し戻され、再び岸へと打ち上がってしまったそうです。

閉館後の水族館で続く治療
「このままでは命が危ない」。そう判断したスタッフたちは、イルカを館内へ搬送し、緊急治療を開始。下田海中水族館の広報担当者によると、現在も予断を許さない厳しい状況が続いているとのこと。しかし、普段からイルカたちと家族のように接しているスタッフらが、懸命な看護にあたっているそうです。
下田海中水族館は、温暖な南伊豆を象徴する温かな雰囲気の水族館です。自然の入り江を利用した展示が特徴で、ウミガメやコツメカワウソにエサをあげられるほか、イルカとのふれあい体験なども人気です。

厳しい冬の海を乗り越え、スジイルカが再び力強く尾びれを振る日が来ることを、今は祈るばかりです。
ライターコメント
実は、かつて半年ほど下田に赴任していましたが、伊豆半島の先端とは思えないほど洗練された雰囲気があり、今でも大好きな街のひとつです。普段は静かな街なのですが、真夏だけは街中に水着姿の人々が溢れ、一気に賑やかになる…そんなギャップも下田の魅力です。スタッフの皆さんも、家族のような絆でスジイルカに寄り添っているのではないでしょうか。懸命なケアが実を結び、このイルカが再び下田の美しい海へ帰れる日が来ることを願っています。
<ライタープロフィル>ゆんち
2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。
現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。






