2025年大阪・関西万博会場のシンボルとされる大屋根リングを巡り、大阪府と大阪市が会場南側の200メートルか約350メートルを保存する案を検討していることが4日までに明らかになっています。
日本国際博覧会協会は3日、大屋根リングを巡り、閉幕後の活用方法を検討する関係機関の会議を開催。大阪府と大阪市は、リング北東側の約200メートルを原形に近い形で活用する方式を新たに提案し、実現しない場合は南側の約350メートルを保存する代替案も示しました。
200メートル部分は屋根を外してモニュメントとして残す事業者の案が、大阪府、大阪市が4月に取りまとめた跡地開発の基本計画に盛り込まれました。
提案した事業者は、のぼれる形での原形保存について、改修費などを理由に「困難」と大阪府と大阪市側に回答。大阪府と大阪市は、手を挙げる開発事業者が出てこない場合を想定して、南側約350メートルを10年間保存する案も示しています。結論は23日に開かれる協会理事会で決定する見通しです。
今回、保存案が浮上している大屋根リングは、1周約2キロ、高さ最大約20メートルの世界最大の木造建築物です。
SNS上の感情
大屋根リングの保存案が浮上していることに対して、SNSでは投稿が相次いでいます。
emogram編集部では、このニュースに対するSNSの感情を独自に分析しました。
感情分析の結果は以下の通りです。
- 「ネガティブ」(約6割)
- 「ポジティブ」(約4割)
主な「ネガティブ」の声(約6割)
「維持費が莫大」
「木材は長期保存向きに処理されていない」
「塩害や風雨に耐えられない」
「使い捨てを想定して作られたりもの。廃棄するしかないかと」
「最初から長期保存などしない前提だった」
主な「ポジティブ」の声(約4割)
「素晴らしい建造物なので残すべき」
「観光資源として価値がある」
「廃棄なんてなんてもったいない」
「残すなら全部残して欲しい」
まとめ
今回の分析では、万博の大屋根リングの保存案に対して、木材の選定や処理が長期保存を前提としていない点に加え、海に近い立地による塩害の懸念、維持コストの問題を指摘するネガティブなコメントが多く、全体としては解体もやむなしとする現実的な見方が優勢となっていました。一方で、世界最大の木造建築として評価されているリングを廃棄するのはもったいないという反応も多く見られました。
ライターコメント
2025年大阪・関西万博のシンボルである大屋根リングの保存案を巡っては、大阪府の吉村洋文知事が「石にしがみついてでも後世のために一部を残したい」と述べるなど、保存に向け強い意欲を見せています。ただ、現在保存が検討されているのはあくまで一部に過ぎず、再利用分などを合わせても、残りの大半は産業廃棄物となる見通しです。大屋根リングはギネス世界記録に認定された世界最大の木造建築物でもあるだけに、リングの大半が処分されることに批判や疑問の声もあり、今後、どういう決着になるかに注目が集まります。