イタリアで米ソムリエ(Riso Sommelier)として活躍する淺田星太郎さん運営の酒蔵「Hoshitaro Sake Brewery(ホシタロウ・サケ・ブルワリー)」が10月、北イタリア・ドロミテ山脈の麓にオープンします。
ホシタロウ・サケ・ブルワリー公式インスタグラム:https://www.instagram.com/hoshitarosake
淺田さんは、2023年からイタリア現地の醸造所の設備を借りながら、日本酒の試験醸造と販売を開始。現地の水質や気候、原材料との相性を探り、醸造データと実績を積み重ねてきました。
今回の酒蔵開業は、そうした2年間の経験を土台とした本格的な自社設備での醸造開始を意味するといいます。なおイタリアでの酒蔵開業は、日本人では初めてだそうです。
なぜ「SAKE」?
どうして日本酒のことを海外では「SAKE」っていうのだろうか、と筆者はぼんやり考えていたのですが、実は、日本酒とは地理的表示(GI)によって日本国内で醸造された清酒のみを指す用語なんです。
産地が申請し、国税庁長官の指定を受けると、産地名を独占的に名乗ることができるといいます。
なので、国外で醸造された日本酒は「SAKE」と呼ばれます。10月に酒蔵をオープンするホシタロウ・サケ・ブルワリーも醸造しているのは実質的には日本酒ですが、呼称は「SAKE」になると思われます。
イタリアの美しい景観「ドロミテ」
ホシタロウ・サケ・ブルワリーが開業の地に選んだドロミテは、2009年にユネスコ世界自然遺産に登録され、壮大な岩峰群と高山植物が織りなす「世界で最も美しい山岳地帯のひとつ」と称されています。
火山岩と石灰岩という異なる地質が交差する土地であり、超軟水と超硬水が共存する世界でもまれな水環境を生かし、用途に応じて水を使い分けることが可能とのこと。さらに冷涼な山岳気候、澄んだ空気、有機自然米との相性の良さにより、日本酒造りにおける理想的な環境が形成されるといいます。
開業後は、この地でしか味わえない特別な体験も提供していくそうで、日本文化に触れる講座や五感を使った体験型プログラムなどを通じて、「SAKEとは何か」を深く実感できる機会を創出するといいます。
ドロミテの地からどんな風に「日本酒」の良さが広がっていくのか、非常に楽しみなチャレンジですね!
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