まみこ『城崎のええとこ、聞いてってぇ』(5)地方移住、温泉街での暮らしのリアル

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こんにちは。大阪市出身で、現在は兵庫県豊岡市「城崎温泉」に住んでいるまみこです。

城崎温泉は関西で有名な温泉地やけど、人口2000人ほどの過疎地域です。

大阪で生まれ育った私が、まさか地方の温泉街に移り住むなんて、数年前までは想像もしてへんかった。

最近「地方移住」がテレビや雑誌でもよう取り上げられ、地方移住を検討している人も増えたと思います。

空き家をリノベしてカフェしたり、自然に囲まれてスローライフを送ったり。見てたら「なんか素敵やなあ」って思う人、多いと思う。

せやけど、実際に暮らしてみたら、ええとこも大変なとこも、そりゃ~色々あるわけで。

今日はそのリアルな暮らしを、私自身の経験からお伝えしようと思います!

移住してよかったこと

一番は「時間の流れがゆっくり」ってこと。

大阪にいた時は、電車も人もせわしかったけど、城崎に来たらゆっくりと時間が流れる。

城崎温泉街 大谿川(おおたにがわ)

大阪の人って、めっちゃ歩くスピード早ない?(笑) 城崎では不思議と急いでいる人を見かけないんですよね。

川沿いの柳並木を浴衣姿の観光客がそぞろ歩きをしていて、それぞれの楽しみ方でゆったりと過ごしているんよ。

移住してから自分のペースで過ごせるようになり、心が落ち着きました。

それから「人との距離が近い」ことも移住してよかった点。

近所の方とあいさつを交わしたり、道端で立ち話が始まったり、困っていたら近所の人が助けてくれたり。

大阪でも人情はあるけど、こっちは日常の中で自然に助け合いが生まれる。都会にはない温かさやなと思う。

そして、移住して気づいた大きな変化は「健康になったこと」!

都会におったときは、気づかんうちにストレスで肩こりやら不眠やらに悩まされとったんやけど、こっちに来てから自然の空気を吸うだけでリラックスできる。

私は毎日温泉に入っているから、一日の疲れをリフレッシュできて夜もぐっすり眠れる。

そんな毎日を送るうちに、心も体も軽くなってきました。ストレスを自然とリフレッシュできる環境って、ほんま大事やなと実感!

あと、四季を全身で感じられるのも魅力やわ。

秋は町中からカニの香りが漂って、冬は綺麗な雪景色を見られる。春は桜、夏は花火と、日常で季節感を感じられるのも楽しいです。

城崎温泉 夢花火

移住して大変だったこと

せやけど、もちろんええことばっかりやない。

まず一番困ったことは「車がないと不便」ってこと。電車とバスは1時間に1本しか走ってへんし、スーパーも近所に小さいお店が1軒だけ。買い物ひとつするにも段取りがいる。

それから「仕事」。私は観光やSNSの仕事に関わらせてもろてるけど、やっぱり大阪に比べたら選択肢はぐっと減るし、給料も低いです。移住してから「自分の仕事は自分でつくる」気持ちが大事やな、と痛感した。

城崎温泉観光大使としての活動

また人との距離が近い分、プライベートが筒抜けになることもあります。

「あの子、最近忙しそうやな」「最近○○の居酒屋でよく飲んでるらしい」とか、うわさがすぐに広まる。

行動だけではなく、居酒屋で話していた話の内容まで街中に広まってしまうこともあります(笑)。

都会の匿名性に慣れてたら、ちょっと窮屈に感じる人もおるかもしれん~。

移住してみて思うこと

地方移住は「夢のスローライフ」っていうより、「自分の暮らしをどうつくるか」を考える挑戦やと思う。便利さは減るけど、その分、人や自然とのつながりは濃くなる。

せやから「田舎に行ったら楽できる」ではなくて、「田舎で自分らしい暮らしをつくる覚悟」がある人に向いてるんやろなと感じます。

そして、もうひとつ強く感じるのは「地方には可能性が山ほどある」ってこと。

都会と比べたら、どうしても足りてないサービスや仕組みが多い。せやけど、それって裏を返せば「チャンス」なんよね。

買い物が不便やからこそ、新しいお店を開ける余地がある。働く場が少ないからこそ、仕事を生み出せる余地がある。SNSやITを生かせば、地域と外の世界をつなぐこともできる。

地方はまだまだ伸びしろだらけです。

都会では埋もれてしまうアイデアも人も、ここやったら一気に輝くかもしれん。移住して起業したい人にとっては、ほんまに宝の山やと思う。

私自身もまだ模索中やけど、ここでしか出会われへん人や景色に出会えてるのは確か。大阪にいたら気づかへんかった価値を、毎日の暮らしの中で味わえてる。

もし読んでる人で「地方移住」にちょっとでも興味あるなら、まずは短期でもええから滞在してみてほしい。そして地方のリアルな声を感じてほしい。

旅行とは違う、ほんまの暮らしのリズムと、地方に眠る可能性が見えてくると思います。

(不定期連載)

【プロフィル】まみこ

大阪市出身。大学時代、ミスゆかたコンテストで準グランプリを獲得し、10代目城崎温泉観光大使を務める。大学卒業後は呉服屋に就職し、その後ライブ配信(ライバー)で独立。2023年3月、兵庫県豊岡市の地域おこし協力隊として城崎温泉に移住。現在は地元企業と連携し、温泉ゆかたのレンタル・販売店をプロデュースしたり、SNSで城崎の暮らしを発信したりしている。

Xアカウント:@mamiko_onsen

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