気候変動によるカカオ不作、価格高騰…。今、世界中で「カカオ危機」が深刻化しています。
「え、いつかチョコレートが食べられなくなるの…!?」
そんな懸念を抱く人がいるかもしれませんが、悲観的になる必要はありません!!
日本の食品メーカーが、ある驚くべき「救世主」を生み出してくれたんです。
その名も「アノザ®M(Anoza®M)」。

ジャジャジャジャーン!!
2025年3月に誕生したばかりの新素材で、バレンタインは今年が初デビュー。高島屋では、トシ・ヨロイヅカ、モンサンクレール、メゾン ショーダンといった超有名ブランドが、このアノザ®Mを使った限定スイーツをバレンタイン期間中に販売します。
そして驚くべきことに——代替カカオだと言われないと、絶対にわからないんです(※記者の感想です)。
開発者も驚く「日本人の舌」との戦い
開発したのは、不二製油株式会社。
業務用チョコレートを製造するお菓子業界の「黒子」のような存在で、多くの食品メーカーに素材を提供しています。
開発を担当したチョコレート開発部の石渡暁之課長に話を伺うと、開発の苦労が見えてきました。

「日本の消費者の方は特に敏感なので、本当に上手にできるのか不安でした」
そう語る石渡さん。実際に筆者がトシ・ヨロイヅカとメゾン ショーダンのチョコを試食したところ、どう食べてみてもおいしいチョコレートの味しかしませんでした!
「そうですか。でも、食べ比べるとわかってしまいますよ、あはは」(石渡さん)
そう謙遜する石渡さんですが、正直言って、食べ比べても分からないレベルです。
「大豆じゃダメだった」…素材選びの執念
アノザ®Mの原料は、キャロブ(イナゴマメ)、えんどう豆、植物油脂など。
でも、最初から「これだ!」と決まっていたわけではありませんでした。
「最初は、弊社が大豆の事業もやっていますので、大豆を使ってみようというところから始まったんです」
当時は大豆でも美味しく食べられる商品ができていたそう。でも、問題がありました。
「どうしても食べ慣れている分だけ、『あ、大豆だ』『きな粉だ』って思ってしまうんですよね。食べ慣れているだけに、特定の食品の味を思い出してしまうんです」
つまり、脳が「大豆」として認識してしまう。これでは「チョコレート」として楽しめない。
「特定の食品を思い出させない中で、美味しく、チョコレートらしく食べられる…そういう素材を探索して、今の材料にたどり着きました」
この執念が、アノザ®Mを生み出したんですね!
「売るものがなくなっても、言い訳できない」— 開発の本当の理由
なぜ、業務用チョコレートを製造する企業が、わざわざカカオを使わない素材を開発したのか?
石渡さんの答えは、シンプルで力強いものでした。
「原料のカカオを売っている企業として、万が一、将来売るカカオが少なくなってしまった場合、『ごめんなさい、売るものがありません』とは言えないなあ…と思いまして」
カカオ不足が現実になった時、顧客に何も提供できないのは無責任ではないか。そう考えたんだそう。
「カカオがなくなっても、『こういう商品があります』とお伝えできれば、お客さまに安心していただけますよね。そういう商品をラインナップとして供給したい。そこからアノザ®Mの開発も始まっています」
チョコレート会社としての責任感。それが、アノザ®M誕生の原動力でした。
「驚きの美味しさ」を実現するまで
カカオの代替品、素材の探索は昔から行っていたそうです。
「やっぱり『代替品』って言われると、なんかちょっと美味しくないのかもなあ…って思われちゃうかなというのはありました」
その先入観を打ち破るために、石渡さんたちが目指したのは「驚きの美味しさ」。
そして、2025年3月の発売後、反響は予想以上でした。
「トップパティシエの方とか、カカオの専門家の方に試食していただいたところ、好評でした。昨年は万博もあったので、期間限定でチョコレートのサンプリングという形で一般消費者の方にも広く感想をいただきましたが、とてもよい反響をいただきました」
「皆さん、やっぱり『美味しい』って、結構驚いてくださって。目指していた〝驚きの美味しさ〟をちゃんと実現できたのかなと思いました。評価をいただいて、自信を持つことができました」(石渡さん)
トップパティシエが作る「カカオレススウィーツ」4選
それでは高島屋限定で登場する、4つのブランドとアノザ®Mとのコラボスイーツを紹介します!
1. トシ・ヨロイヅカ「トリュフ アノザ ヴァニーユ&ジャンドゥーヤ」(2,800円)
鎧塚俊彦シェフが手がける2種類のトリュフ。

「ヴァニーユ」(上)は、アノザ®Mのまろやかさとミルク感をバニラとともに楽しめる一品。いわゆるおいしいトリュフです。そして「ヘーゼルジャンドゥーヤ」(下)は、カリカリっとした食感が楽しくて、こちらも代替カカオとはおよそ思えない一品でした。
2. モンサンクレール「タブレットミルクティー」(2,401円)
アノザ®Mと、キャラメルのように甘く香るオリジナルブレンド紅茶・オペラのミルクティーガナッシュを2層にした、タブレットです。

3. メゾン ショーダン「パヴェ ド ボシビリテ」(2,160円)
パリ本店前の石畳をイメージした、ブランドを代表するショコラのひとつ「パヴェ」をアノザ®Mで再現したそうです。こちらも試食しましたが、おいしすぎて「それ代替カカオだよ」と言われるまで、絶対気づかない自信があります…。

4.KOBE CHOCO「アーモンド&ブラッククッキーアノザM」(1,188円)
ナッツのようなコクのあるアノザ®Mに、キャラメリゼしたアーモンドを混ぜ込んだチョコレート。アーモンドのカリッとした食感と、クッキーのほろ苦さ、ザクっとした食感が楽しめます。

「満足感は決して見劣りしない」— 石渡さんの自信
最後に、石渡さんにこう聞きました。
「このアノザ®Mを、どのように楽しんでほしいですか?」
「チョコレートって、食べた時に『食べてよかった』っていう満足感があるじゃないですか。アノザ®Mは、チョコレートとちょっと味が違うのは敏感な方なら分かると思うんですけど、そういう満足感は決して見劣りしないものだと思います。チョコレートと同じように、幸福感を味わっていただけると思っています」
そして筆者も試食して実感しました。これは本当に救世主だと。
そのくらい、おいしかったんです!!
「代替品」じゃない。「新ジャンル」だ
ちなみにアノザ®Mの名前の由来は、「もう一つ(Another)のミルク(M)」。
代替品として我慢して食べるものじゃない。「新しい選択肢」として、堂々と楽しめるスイーツなんです。
「カカオがないから仕方なく食べる」のではなく、「最先端の日本の技術を味わう」。
そんなスマートな選択が、これからのバレンタインのスタンダードになるかもしれませんね。
ライターコメント
アノザ®Mは本物との差がほとんど分からない驚きのクオリティでした。そして石渡さんの「チョコレートと同じ幸福感は、決して見劣りしません」という言葉も印象的でした。実は試食するまで代替カカオにまったく興味がなかったのですが、取材後すっかり気持ちが変わり、今後チョコレートを買うときは「カカオレス」を選ぶのもいいなあ…なんて思っています。












