波照間製糖公式X(@haterumaseitou)より

【取材に成功!】日本最南端の「秘密結社」がサトウキビをカッスカスに搾り上げる理由

By - emogram編集部
ローカル

「…怖いか? 徹底的に搾り上げたうえに廃棄物さえ出さずに利用する我ら組織の存在が」

そんな物騒な(?)宣言とともに、日本最南端の有人島・波照間島から発信されたXの投稿が話題を呼んでいます。発信主は「秘密結社」…いえ、波照間製糖。いったいこれは、どんな会社なのでしょうか…。

驚異の歩留まり「14%」の衝撃

通常、サトウキビを搾って黒糖になるのは、元の重量の数パーセント程度と言われています。しかし、波照間製糖が誇る数字は、なんと約14%

「サトウキビがカッスカスになるまで搾り上げる」そうで、原料の力を最後の一滴まで引き出す徹底した姿勢が、この数字を支えています。

この「1gも無駄にしない」というこだわりが、波照間島産黒糖の濃厚な風味と高い評価に繋がっているのでしょうか。

「秘密結社」の正体は、日本最南端の黒糖工場

ところで、この「波照間製糖」とはどんな組織なのでしょうか。本社は那覇ですが、工場は八重山列島の波照間島。日本最南端の製糖工場として島の産業を支えています。

画面上部の大きな建物が、その工場です。

波照間製糖公式X(@haterumaseitou)より

波照間島は土壌がサトウキビ栽培に適していることに加え、収穫の際の作業の一部を手作業で行っているのが特徴です。不純物の混入が少ない丁寧な収穫が、雑味のないおいしい黒糖を生み出しているのです。

「emogram」編集部が取材に成功!!

今回の投稿で、人々を驚かせたのが、「(サトウキビを)搾り上げた繊維分(バガス)をボイラーの燃料にする」という完全循環型の仕組み。

そして産経新聞社emogram編集部では、なんとこの秘密結社への取材に成功しました!

取材に応じた秘密結社の広報担当者によれば、バガスを燃料にするその裏には、離島ならではの切実な歴史があるそうです。

広報担当者:「沖縄県内の製糖工場では、『エコ』という言葉が一般的になるずっと前、60年以上前からバガスを燃料として再利用していました」

沖縄の8つの黒糖工場はいずれも離島にあり、島の中で廃棄物が出ると処理が非常に大変です。

広報担当者:「限られた資源を使い切るこの仕組みは、この環境だからこそ昔からよく考えられてきたものなのだと思います」

「廃棄物さえ出さずに利用する」という姿勢は、SDGsが叫ばれる現代より半世紀以上も前から、離島の厳しい自然と共生してきた先人たちの知恵そのものだったのです。

ライターコメント

「怖いか?」という問いかけに、最初は震えましたが(笑)、お話を伺うとその正体は「島への深い愛」と「究極の合理性」でした。60年以上も前からバガスで火を焚き、黒糖を作ってきた歴史。最南端の島で、カッスカスになったサトウキビの繊維がボイラーでパチパチと燃える音を想像すると、一粒の黒糖がより一層尊く感じられます。

<ライタープロフィル>ゆんち

2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。

現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。

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