東京大学の安田講堂=東京都文京区

東大生を育てたおかん(10)「すべてのお母さんにお勧めしたい本です」救われた運命の一冊

By - emogram編集部・ゆんち
ライフ

フルタイム勤務で3人の子供を育ててきたしらたまさんの長男は東京大学に推薦入試で合格を果たしました。東大へと子供を送り出した保護者へのインタビューから、これからの時代の子育てのヒントを探る全10回の特別連載。しらたまさん編の最終回となる第10回は、子育ての中で意識していたという「親としてのスタンス」と、初めての育児で心が折れそうになっていたしらたまさんを救った「運命の一冊」について伺いました。

意識したのは「親としての理想を押し付けない」

保育園から高校まで公立、塾にもほとんど通わずに東大推薦合格を掴み取ったしらたまさんの長男。なぜ、これほどまでに「自分で考えて行動できる子」に育ったのでしょうか。それを紐解くカギは、しらたまさんがずっと心に決めていた想いにあるようです。

しらたまさん:「子育てで一番意識していたのは、『親としての理想を子供に押し付けないこと』です。自分が親の言う通りの道を進んできたからこそ、子供たちには同じ思いをさせたくなくて、意識してのびのびと自由にさせてきたような気はしますね」

しらたまさんが救われた「運命の一冊」

目の前の子供の、ありのままを受け入れる。「言うは易く行うは難し」なのですが、しらたまさんの「見守り子育て」の原点は、長男が1歳のころに出会った一冊の本にありました。

大の本好きで、子供たちにも幼少期からたくさんの本を与えてきたしらたまさん。そんなしらたまさんが「この一冊に子育てのすべてがあると思っています」とお勧めしてくれたのは、児童精神科医・佐々木正美氏の著書『子どもへのまなざし』(福音館書店)です。

余裕がなかった私を救ってくれた

しらたまさん:「長男が1歳になって、私が仕事復帰をしたばかりのころにこの本に出会いました。初めての子育てで仕事も忙しく、余裕がなかった私を、この本が救ってくれたんです。語り口がものすごく優しくて、『たくさん安心して甘やかしてください』『ただ可愛がればいいんだよ』ということが書いてあって。その言葉をずっとお守りのように胸に抱いて、実践しようと思いながら3人を育ててきました」

「あれをしなさい」「これをさせなさい」という教育のノウハウ本ではなく、子供を安心して甘やかせること、愛することを肯定する一冊。「東大生の母」の土台を作ったのは、「子供のことをただ愛すればいい」という、温かな本だったのです。

すべてのお母さんのお守りに

日々の仕事や育児に追われて心に余裕がなくなってしまったとき…。しらたまさんが胸に抱き続けたこの温かな「お守り」は、日本中のお母さんにとっても大きな救いになってくれそうです。(しらたまさん編・おわり

【お役立ちデータ】『子どもへのまなざし』 多くの保護者や保育の現場から「一生手元に置いて何度も読み返したいバイブル」と絶賛され続けているのが、児童精神科医の佐々木正美氏の『子どもへのまなざし』(福音館書店)です。インターネットやSNSにあふれる手軽な育児ノウハウとは一線を画し、多くの人が「迷ったときに進むべき道を教えてくれる、自分たちの子育ての軸」として心の支えにしています。

本書が愛される理由は、初めての育児への不安や、イヤイヤ期の子供への対応に悩む親たちの心を、丸ごと包み込んでくれるような優しい言葉にあります。子供のありのままを受け止めて、安心してたくさん甘えさせてあげること。親にとっての都合のいい子を求めるのではなく、二度と取り戻せない幼児期という「人間の基礎をつくる大切な土台の時期」を一緒に喜び、楽しむこと。そんなシンプルで温かな子育ての原点が、親しみやすい山脇百合子さんの絵とともに分かりやすく綴られています。

「子どもへのまなざし」:公式サイト 

ライターコメント

しらたまさんから「お勧めの1冊がある」と聞いたとき、どんな本だろうとドキドキしましたが、佐々木正美先生の『子どもへのまなざし』の名前が挙がり、とても安心しました。実は私自身も、我が子が小さかったころにこの本に出会い、救われた経験があったからです。「東大生の母」の原点が、子供をただ愛し、安心して甘やかせることを肯定する温かい本だったということ。その事実は、情報過多な現代の受験競争の中で模索する多くのお母さん、お父さんの心を優しく包み込んでくれるのではないでしょうか。

<ライタープロフィル>ゆんち

2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。

現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。

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