女優の見上愛さん(25)が一ノ瀬りん、上坂樹里さん(21)が大家直美というヒロインをそれぞれ演じるNHK連続テレビ小説『風、薫る』(月~金曜午前8時、土曜は1週間の振り返り)の第111話が31日放送され、日清戦争に自ら志願して赴いた竹内虎太郎(小林虎之介さん)が幼なじみで思いを寄せるりんの元を訪ね、戦地で経験した苦悩を疲れ切った表情で打ち明ける展開に、胸を痛める視聴者が続出しました。
「気が紛れる」と平蔵の看護にあたる直美
軍人の夫・吾郎(甲斐翔真さん)を失った悲しみを抱えながら、直美は、患者の遠藤平蔵(太田光さん)の長屋で看護にあたっていました。「私は、こうしていた方が気が紛れる」と語る直美に、平蔵は「俺の酒と似たようなもんか」と声をかけました。
直美は、以前、平蔵の戸棚の隙間に貼ったはずのメモが、丁寧にシワを伸ばした状態で保管されているのを目にします。お酒に代わる新しい気晴らしを一緒に探そうと微笑む直美に、平蔵は「あんたの気晴らしになるなら、付き合ってやるよ」と、不器用な優しさで寄り添いました。
りんからもらったハンカチを取り出す虎太郎
恵風看護婦会で直美の帰りを待っていたりんのもとへ、戦地から帰国した虎太郎が訪れてきます。虎太郎は疲れ切っており、「笑えるくらいに無力だった。毎日…何人もの兵隊が後送されて…。包帯も薬も、いくらあっても足りなくて…」と現地でのことを振り返り、ポケットからハンカチを取り出しました。
それは、りんがかつて虎太郎の傷に巻いた、捨松のハンカチで、虎太郎にとっての「お守り」だといいます。
「虎太郎は、あのころとおんなじ」
ハンカチは赤黒く汚れており、それを兵士に渡したものの救えなかった失意を語りながら、虎太郎は「人の生き死には…くじ引きみたいなもんだ」ともらします。
りんはハンカチを手に取り、「虎太郎は、あのころとおんなじ。優しい虎太郎のまんま。おかえり、虎太郎」と温かく迎え入れました。
恵風看護婦会を訪ねてきた捨松
ある日、恵風看護婦会を、りんと直美を看護婦の道に導いた大山捨松(多部未華子さん)が訪ねてきます。軍司令官を務める巌(高嶋政宏さん)の妻として、直美に深い哀悼の意を伝えた捨松は、戦争をきっかけに看護婦という存在が世間に認知され始めた現状に触れます。
「私たちでこの風を、大きくしていきます」と気丈に答えるりんに、捨松は「あの日、炊き出しであなたたちに声をかけた自分をほめたいわ」とおどけつつ、これからの看護婦の役割の重要性に触れました。
「プレッシャーかしら?」とほほ笑む捨松
「あなたたちの歩む道が、後に続く者の道になるはずです。これからの看護婦を、貴女たちに託します」と語りかけました。英語で「プレッシャーかしら?」とほほ笑む捨松に、直美も「望むところです」と英語で応じ、3人は互いの覚悟を確かめ合いました。
SNS「強くて優しい心が傷ついてしまった」と虎太郎を心配する声
『風、薫る』の第111話の放送に対し、SNSでは、視聴者から様々な反応が寄せられています。
ライターコメント
虎太郎が無事に帰ってきてくれたことに安堵したのも束の間、戦場に志願して赴いたことで背負ってしまった心の深い傷に胸が締め付けられました。小林虎之介さんの、笑顔の裏に隠された絶望を感じさせる繊細な演技が本当に素晴らしかったですね。一方で、哀しみを抱えながらも前を向く直美や、捨松から「これからの看護婦」を託されたりんたちの覚悟には胸が熱くなりました。戦争が残した爪痕とどう向き合い、彼女たちがどんな道を切り開いていくのでしょうか。終盤に向けた展開からますます目が離せません。






