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サル山のベビーラッシュと昨年の猛暑 パンチくんが教えてくれる、命を繋いだ絆の形

By - emogram編集部・ゆんち
アニマル

千葉県の市川市動植物園のサル山は4月末から、おめでたいベビーラッシュに沸いています。この春だけで、すでに5頭の赤ちゃんが誕生しました。気候が穏やかで過ごしやすいこともあり、お母さんザルたちはしっかりと赤ちゃんを抱きかかえ、子育てをしています。しかし、時計の針を1年前に戻すと、このサル山で生まれた赤ちゃんはたった1頭。それが、今や世界中から愛される存在となった「パンチくん」です。

命の危機。猛暑の中で奪われた「お母さんのぬくもり」

パンチくんが生まれたのは昨年7月、連日うだるような過酷な猛暑が続いていました。お母さんザルにとっても、その暑さは想像を絶する体力の消耗に繋がります。パンチくんが育児放棄にあった背景には、この異常な暑さによる母ザルの極度の疲労もあったのではと言われています。

本来なら、お母さんのお腹にしっかりと抱きつきながら育つはずだった命。パンチくんは保護され、飼育員2人による24時間体制の人工哺育が始まりました。

ぬいぐるみから、飼育員の腕の中へ

お母さんがいない中、ニホンザルの赤ちゃんとしての「何かにしがみついて安心したい」という本能を満たしてくれたのは、オランウータンのぬいぐるみでした。そのフワフワとした感触は、孤独なパンチくんにとって命を繋ぐ「安全基地」になりました。

このオランウータンのぬいぐるみを引きずって歩くパンチくんの姿が、世界中に拡散されて大きな反響を呼んだのです。しかし最近では、そうした姿も見なくなりました。

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パンチくんは、もうぬいぐるみは必要なくなったのでしょう。それでも、母ザル代わりに育ててくれた2人の飼育員のことは今でも大好きなのか、食事の時間は腕にしがみつく姿が見られます。

「ぬくもり」を胸に、本当の仲間が待つサル山へ

パンチくんと飼育員との深い絆。しかし、人間である飼育員がパンチくんの「お母さん」になり続けることはできません。パンチくんにとっての本当のゴールは、いつかこの腕を離れ、サル山の群れに入り、厳しいサルの社会で1頭のニホンザルとして生きていくことです。

今はまだ、ときどき温かい腕の中で甘える小さなパンチくん。そのかけがえのない時間を、いつか来る巣立ちの日まで、私たちも温かく見守っていきたいと思います。

ライターコメント

今年生まれた5頭の赤ちゃんがお母さんに抱かれている姿を見ると、パンチくんが乗り越えてきた試練の大きさに改めて気づきます。早く群れ入りがうまくいってほしいと願う反面、飼育員さんにしがみついて甘えるパンチくんも、やっぱりかわいいですよね。

<ライタープロフィル>ゆんち

2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。

現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。

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