6月20日から8月31日まで、CREATIVE MUSEUM TOKYO(東京・京橋)で、日本のアニメ映画の巨匠・細田守監督(58)の創作の原点に迫る過去最大規模の展覧会『細田守の原点/展』が開催されています。今回は、実際に筆者が会場へ足を運びましたので、その熱気と見どころを詳しくレポートします。

サマーウォーズの世界へ
『時をかける少女』の展示エリアを抜けると、壁一面にあしらわれた鍵穴のモチーフが目に飛び込んできます。そこから一気に、『サマーウォーズ』に登場するインターネット上の仮想世界「OZ」へと足を踏み入れるような構成に。

「キング・カズマ」と「ラブマシーン」の等身大フィギュア2体のほかに、作品に登場するキャラクターのぬいぐるみや花札、携帯電話などの展示がされています。

- ©細田守の原点/展 「キング・カズマ」等身大フィギュア
- ©細田守の原点/展『サマーウォーズ』に登場するキャラクター
家系図

『サマーウォーズ』といえば、ヒロイン・夏希の親戚である陣内(じんのうち)家の個性豊かな面々が登場しますが、映画鑑賞時にはそれぞれの関係性を把握しきれなかった方も多いのではないでしょうか。
本展では陣内家の巨大な家系図が展示されており、各キャラクターの名前や年齢だけでなく、職業までもが細かく記載されています。この資料をじっくり眺めることで、登場人物たちへの理解をさらに深めることができます。
携帯電話

『サマーウォーズ』は、公開当時の2009年において「初めてiPhoneが登場した劇場アニメーション作品」とも言われています。
アメリカ帰りの侘助が最先端のiPhoneをスタイリッシュに使いこなす一方で、健二や夏希をはじめとする多くの親戚たちはガラケーを使用しています。さらに、陣内家の大黒柱である栄おばあちゃんは、黒電話と手紙というアナログな手段を重んじており、こうした新旧の通信ツールが入り交じる描写も本作の魅力の一つです。
展示ブースでは、実際にキャラクターたちが使用していたモデルのiPhoneやガラケーが並べられており、「誰がどの端末を使っていたか」と思いを馳せる楽しさがありました。
また、映画公開時のプロモーションで展開された懐かしの「ケータイ壁紙」の展示もあり、当時の空気感に彩られた可愛らしいデザインの数々に目を奪われました。

名場面

『サマーウォーズ』のクライマックスといえば、健二がエンターキーを叩きながら「よろしくお願いしまぁぁぁすっ!!」と絶叫するシーンが印象的です。
ここでは、この名セリフが海外でどのように翻訳・表現されているかを紹介する展示も用意されていました。
- ©細田守の原点/展『サマーウォーズ』日本版
- ©細田守の原点/展『サマーウォーズ』アメリカ版
たとえばアメリカ版では「Please and thank you」と、意外にもシンプルかつ冷静な表現に翻訳されており、言語や文化によるニュアンスの違いを発見できる非常に興味深い展示でした。
ライターコメント
圧倒的なクオリティで作られた等身大の「キング・カズマ」と「ラブマシーン」を前に、取材を忘れてテンションが上がってしまいました。「夏といえば『サマーウォーズ』」という方も多いと思いますが、会場であの「よろしくお願いしまぁぁぁすっ!!」というセリフに触れると、やはり本格的な夏の訪れを感じます。細密な設定資料から「OZ」の仮想空間まで、作品の魅力を余すところなく堪能できる大満足の展覧会でした。










