変則勤務の職場でフルタイムとして働き、次男が小学5年生になるタイミングで非常勤へと働き方をシフトした「あじさい」さん。見事、東京大学への現役合格を果たした次男を育て上げた道のりには、どのようなドラマがあったのでしょうか。東大生を育てた保護者のリアルな声から子育てのヒントを探る連載『東大生を育てたおかん』。第2弾(全9回)の第7回となる今回は、次男の進路を大きく左右することになった「中学時代の恩師(塾の先生)との出会い」に迫ります。
兄と同じ塾へ。自分で決めたらやり遂げる次男の気質
中学校への入学と同時に、次男はお兄ちゃんと同じ地元の塾に通い始めました。
次男は「自分でこうするんだ」と目標を決めると、それに向かって睡眠時間を削ってでも、自分が納得いくところまでやり遂げないと気が済まない性格だったといいます。

あじさいさん:「『体を壊すから早く寝なさい』といつも声をかけていましたが、とにかくコツコツと一生懸命に机に向かっていました。私自身は勉強を教えてあげることはできませんから、勉強に関しては塾の先生方を信頼してお任せし、親が中身に口を出すことはありませんでした」
さらに、あじさいさんは「勉強しなさい」と言ったこともほとんどなかったといいます。本人のやる気を信じて見守る。その中で、次男は塾という場所で自分の力を少しずつ蓄えていきました。
通学時間重視から東大合格実績へ。恩師からの提案
そうして迎えた中学3年生の進路選択の時期、次男にとって人生の大きな転機となる出会いが訪れます。それは、本人の能力と性格を誰よりもよく見抜いていた塾の先生の提案でした。
あじさいさん:「次男は当初、自宅からの通学距離や時間を考えて志望校をほぼ決めていたようです。しかし、塾の先生から『東大合格者を多く輩出した別の進学校』への変更を勧められたんです」
変更先の高校は、自宅から遠い場所にあったそうです。しかし、塾の先生が本人の将来の可能性を信じて、より東大合格実績の高い学校への道を提示してくれたことで、次男は志望校を変更する決意を固めることができたのです。

あじさいさんは、「私から見ても、先生の熱心な姿勢と後押しは本当に心強いものだった」と当時を振り返ります。
「あの一言があったから、今の自分がある」
次男から「志望校を変えたい」と告げられたあじさいさん。本人の決意を尊重し、それまで通り体調管理などのサポートに徹して見守りました。

結果、次男は見事にその難関高校の合格を勝ち取り、そこから東大現役合格への道を切り拓いていくことになります。
あじさいさん:「大学生になった今でも、次男は『あのとき、塾の先生が言ってくれた一言があったからこそ、今の自分があるんだ』と、先生への感謝をよく口にしています。あの先生の一言がなければ、今の進路はなかったと思います」
親の温かい見守りと、本人の努力。そこに「信頼できる指導者との出会い」が加わり、子供の可能性は想像以上に大きく広がっていったのでしょう。(⑧に続く)
【お役立ちデータ】2026年東大理系合格者の出身高校ランキング 受験情報サイト「インターエデュ・ドットコム」が発表した2026年東大入試の出身高校別ランキング(暫定値・産経新聞一部協力)によると、理系(理科Ⅰ類~Ⅲ類・推薦除く)の合格者数トップは渋谷教育学園幕張(千葉)で47人が合格しました。2位は横浜翠嵐(神奈川)の34人、3位は日比谷(東京)の29人と続き、トップ10のうち6校を国公立校が占める健闘ぶりが目立っています。4位の西大和学園(奈良)は26人と、昨年の13人から倍増しました。東大理系の総合格者数1,762人のうち上位10校の合計は244人にのぼり、約7人に1人がこれら上位校の出身という計算になります。また、トップ20の地域別では東京が5校で最多、千葉が3校、神奈川と愛知が各2校と、首都圏を中心とした地域の強さが表れる結果となりました。
ライターコメント
子供が大きくなり、親の手を少しずつ離れていくその先で、今回の塾の先生のように、本人の可能性を信じて引っ張り上げてくれる「新たな指導者」に出会えるかどうか。それが、その後の成長の大きなカギになると感じました。親として一歩引き、子供と指導者との出会いを静かに見守り、支え続けたあじさいさん。少し離れた特等席から、子供の自立を誰よりも信じて応援していたのでしょう。
<ライタープロフィル>ゆんち
2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。
現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。






