女優の見上愛さん(25)が一ノ瀬りん、上坂樹里さん(20)が大家直美というヒロインをそれぞれ演じるNHK連続テレビ小説『風、薫る』(月~土曜午前8時)の第63話が24日放送され、読み書きに苦労する三浦ツヤ(東野絢香さん)を自然にフォローした外科の教授助手・黒川勝治(平埜生成さん)の細やかな気遣いや、新しい時代を生きるツヤの背中をそっと押す経験豊かな看病婦の永田フユ(猫背椿さん)の深い愛情に胸を打たれる視聴者が続出しました。
直美の言い方が気に食わない軍人・小川
ある日、直美が担当する内科の患者・陣内清(細川岳さん)を軍人の小川吾郎(甲斐翔真さん)がぼた餅を持って見舞いました。陣内は食事制限中で、直美は、やっとおもゆが食べられるようになった段階で、これでぼた餅など食べたら後戻りだと制止しますが、小川は直美の言い方が気に入りません。
直美は、これでも控えめだと反論しますが、小川も、女性ならもっと言い方があるはずだと譲りませんでした。直美は、今の陣内にぼた餅を与えることは体を傷つける暴力だと例え、ぼた餅を突き返します。小川は「がばい偉そうな尼さんばい」と嫌味。陣内もさすがに「尼さんじゃなか、看護婦たい」とフォローします。直美は怒り心頭で廊下を歩きながら「何なの、あの芋男」とつぶやきました。
ナイチンゲールの本をツヤに手渡すりん
ツヤは看護科の生徒たちと講義を受けますが、黒川はツヤが字が書けないことが気になりました。これから講義はさらに難しくなり、英語も加わることを懸念しますが、りんは自分がツヤを支えると意気込みます。後日、りんは以前に翻訳したナイチンゲールの本『NOTES ON NURSING』を和訳したノートをツヤに手渡します。ツヤが看護婦になれば看病婦たちの希望になると励ますりんに、ツヤは感謝を述べて受け取りました。
院長室では、副院長の渡辺行成(森田甘路さん)が院長の多田重太郎(筒井道隆さん)に「瑞穂屋」社長・清水卯三郎(坂東彌十郎さん)から提出された歯科新設の意見書を手渡しました。多田が一読してその意義に関心を示す中、渡辺は看護科の養成が順調に進めば、3年後には帝都医科大は教育を受けた看護婦による看護を提供できる病院になるという今後の見通しを伝えます。
りんの顔を思い浮かべながら書いたというシマケン
夜、「シマケン」こと島田健次郎(Aぇ! group・佐野晶哉さん)の部屋を友人の槇村太一(林裕太さん)が酒を持って頻繁に訪れるようになっていました。槇村が兄・宗一(上杉柊平さん)と、りんの妹・安(早坂美海さん)の幸せそうな様子への愚痴をこぼす中、シマケンが書き上げた小説の原稿を発見します。原稿を取り返そうとするシマケンは、最初に読ませたい相手(りん)の顔を思い浮かべながら書いたと明かして幸せそうな表情を見せました。
包帯を上手く巻けないヒデ
同じ頃、詰所ではツヤが一昨日から泊まり込みで勉強を続けていました。りんと直美はツヤの体を心配しながらサポートを続けました。
日が変わり、外科で実習が始まり、りんは見習生のヒデ(池田朱那さん)と安達タマ(川島鈴遥さん)をフユと須永ヨシ(明星真由美さん)に紹介します。それぞれ分かれて実習に入るなか、フユはヒデに患者の包帯交換を命じますが、ヒデは上手く巻くことができません。
見かねたフユが素早く包帯を巻き直します。実習後、詰所でぐったりと座り込むヒデの元にツヤが戻ります。ヒデはツヤの腕を借りて包帯の巻き方を教わり始めます。そこへやってきたフユとりんは、部屋の外からこっそりとその様子を窺います。ツヤは関節の動かしやすさや力加減を丁寧に指導し、看護する相手は人だから、かわいげも関係あるのではないかと笑いかけます。
「よろしく頼むよ、先生」とりんに言うフユ
見事な手並みにヒデが感銘を受ける中、ツヤは「仕事だから」「一生の仕事にしたいから、もっと勉強しないと」と語り、ヒデもそれにうなずきます。その姿を見たフユは「ツヤさんは、なれそうなのかい、看護婦?」とりんに問いかけ、「よろしく頼むよ、先生」と言い残して去っていきました。
その後、中庭で見習生たちを指導していた工藤トメ(原嶋凛さん)が驚いて、作業を止めてしまいます。トメの視線の先には、ニッコリと微笑む喜代(菊池亜希子さん)の姿がありました。
SNSの反応
『風、薫る』の第63話の放送を受け、SNSでは登場人物たちが織りなす人間ドラマに大きな反響が寄せられています。
■「女を馬鹿にするな」からの…最悪な出会いが生む恋の予感?:患者への配慮に欠け、直美を「尼さん」と揶揄した小川軍曹の傲慢な態度には、「言い方に腹が立つ」と怒りの声が殺到しました。しかし同時に、「最悪の出会いほどロマンスに発展する」と、対立から始まる2人の関係性が今後どう変化していくのか、恋の展開に期待を寄せる声も目立っています。
■「さりげない優しさに感動」黒川先生とフユの温かなサポート:読み書きができないツヤを自然にフォローした黒川先生の細やかな気遣いや、新しい時代を生きるツヤの背中をそっと押すフユの深い愛情に胸を打たれる視聴者が続出。「多くを語らずとも伝わる優しさが素敵」と、登場人物たちの人間味あふれる温かな眼差しが高く評価されています。
■「知識より心」ヒデの気づきと、医療の本質に対する深い共感:知識ばかりで頭でっかちになっていたヒデが、ツヤの姿を通じて「患者に寄り添う心」の大切さを学ぶ場面には、多くの共感が集まりました。命に真摯に向き合う姿勢への称賛に加え、当時の身分や識字率といった構造的な格差描写に対し、深く考えさせられたという声も寄せられています。
ライターコメント
第63話は、知識や技術といった近代的な医療システムが構築されていく中で、決して忘れてはならない「患者に寄り添う心」の重要性が見事に描かれた回でした。中でも印象的だったのは、黒川先生がツヤの「識字の壁」に気づき、彼女の尊厳を守りながら静かにフォローを入れた場面です。立場や身分を超えた彼のさりげない優しさには、新しい時代へ必死に進もうとする者への深い敬意が感じられました。また、ベテラン看病婦のフユさんが時代の移り変わりを受け入れ、若きりんに「先生」と未来を託すシーンも、職業の歴史的変遷を象徴する名場面と言えます。激動の時代の中で、不器用ながらも真摯に命と向き合う登場人物たちの群像劇から、今後も目が離せません。
『風、薫る』過去記事
【第62話】NHK朝ドラ『風、薫る』「最後に勝ち戦にすればよい」初給料10円に落ち込む娘りん(見上愛)を包む、母・美津(水野美紀)の深い愛に涙






