[東大生を育てたおかん]「絵本」に囲まれた環境と、多忙な母を支えたもう一人の存在<2>

By - emogram編集部・ゆんち
ライフ

フルタイム勤務で3人の子供を育ててきたしらたまさんの長男は東京大学に推薦入試で合格を果たしました。塾通いや早期教育に熱を上げることはなかったというしらたまさんですが、長男が自ら机に向かい、主体的に学ぶようになるまでには、幼少期の家庭環境と、実母も加わった「チーム育児」という支えがありました。今回は、東大へと子供を送り出した保護者へのインタビューから、これからの時代の子育てのヒントを探る、全10回にわたる特別連載の第2回目です。

幼少期に与えたのは「本」の環境

しらたまさんはフルタイムで働いていたため、長男は1歳から長時間の保育園に通い、習い事も3歳から始めたピアノだけでした。そのピアノも、実家の近くにある個人の先生の教室へ通い、高校生になるまで「先生とおしゃべりをしに行くような、気晴らしの感覚」で、のんびりと続けていたと言います。

そんなしらたまさんが、唯一幼少期から惜しまず与え続けたのが「本」でした。

しらたまさん:「私がもともと絵を描くことや絵本が好きだったこともあり、子供が0歳のころから本だけはいろいろと買って、周りに置いていました。図書館にもよく一緒に行って、借りられるだけ借りてきていましたね」

気付いたら寝落ちしていたことも…

仕事と育児を両立する多忙な日々、読み聞かせはどのようにされていたのでしょうか。

しらたまさん:「仕事終わりで疲れてしまっていたので、夜寝る前に少しだけ読んだら、あとは『自分で眺めて寝てね』という感じでした(笑)。でも、長男は自分で文字を追いながらそのまま眠ってくれていたので、本当に助かりましたね」

親が無理をして読み聞かせるのではなく、本が身近にある環境を作り、あとは子供自身のペースに任せる。このスタイルが、結果的に長男の「自分で考えて動く力」を育むことになりました。小学生になってからも、しらたまさんが指示を出すことなく、通信教育の教材などを自分で計画的に進めていたそうです。

親だけで抱え込まない。元気な祖母の「強み」に甘えるチーム育児

しらたまさんの「子供を信じて口を出さない」という大らかな育児が成立した背景には、もう一人の存在がいました。長男が小学5年生のころから同居を始めた、しらたまさんの実母(長男のおばあちゃん)です。

現代の子育て世帯では、親(子供の祖父母)に頼ることに遠慮や気後れを感じてしまうケースも少なくありません。しかし、仕事と育児の両立に追われるなか、完璧な親を目指して一人で孤軍奮闘するのではなく、元気な祖父母の「強み」に上手に甘えることは、家族全体の好循環に繫がる賢い選択のようです。

しらたまさん:「私の母は、生活習慣や学習の管理に関して、とても熱心で厳しいタイプだったんです。学校から帰ってきた長男に『宿題はちゃんとやったの?』『もう遅いから早く寝なさい』と、私の代わりにしっかりと目を配ってくれていました。母がいてくれたからこそ、私は心置きなく、長男のやりたいことを『見守る』ことに徹することができたのだと思います」

これからの時代、子育てはたくさんの手で

子育てを自分ひとりでこなそうとすれば、どうしても限界が訪れます。しらたまさんの場合、おばあちゃんという心強い存在に甘え、自身の仕事や育児の負担を上手に分担したからこそ、家庭内に安心感が生まれたのかもしれません。

母親であるしらたまさんの「大らかな見守り」と、生活の土台をしっかり管理してくれるおばあちゃんの「規律」。親だけで完璧を目指すのではなく、お互いの得意分野を活かして子供を包み込む。この絶妙なバランスこそ、現代の共働き世帯が真似したい「チーム育児」の理想形なのではないでしょうか。

【お役立ちデータ】孫育てガイドブック「まごなび」 親の負担軽減や子供の成長にメリットがある祖父母の育児参加ですが、時代による「育児常識のギャップ」に悩む声も少なくありません。そんな世代間のズレを埋めるヒントが詰まっているのが、北海道が作成したガイドブック「まごなび」です。現在の育児方法や考え方の違いが、具体的な事例や読みやすいインタビューを交えて分かりやすく紹介されています。北海道の公式サイトから無料でダウンロードできるので、ぜひ活用してみてください。

詳細は北海道の「まごなび」公式サイト

ライターコメント

共働きで多忙な日々に奮闘する世帯が多い現代、祖父母に育児を頼ることに、どこか申し訳なさや気後れを感じてしまう人も少なくないと思います。しかし、しらたまさんの「大らかな見守り」を支えたおばあちゃんの存在を知り、もっと周囲を頼って甘えていいんだと気付きました。元気で頼もしい祖父母世代の力を借りることは、決して悪いことではなく、子供にとっても豊かな愛情に触れる最高の機会。家族みんなでチームを組み、それぞれの長所で子どもを包み込むことの大切さを、改めて教えてもらった気がします。

<ライタープロフィル>ゆんち

2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。

現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。

東大生を育てたおかん

[東大生を育てたおかん]忙しすぎて手が出せない環境が息子の自走力を伸ばした<1>

Google検索で「emogram」を優先表示 ワンクリックで簡単登録

PAGE
TOP