「7月5日大災害説」をご存じでしょうか。
東日本大震災を予知した、漫画家のたつき諒さん(70)による予言のことで、SNSを中心に社会現象になっています。
気象庁は「科学的根拠のないデマ」と断じていますが、SNSを中心に海外にも情報が知れ渡り、香港などからの訪日を控える動きにつながっています。
その発端は?
その発端となったのが、たつき諒さん(70)が2021年に発売した著作「私が見た未来 完全版」(飛鳥新社)です。
たつきさんは、1999年に出版した「私が見た未来」で、東日本大震災を予言したとして一部で注目されていました。それだけに「私が見た未来 完全版」のあとがきで「夢を見た日が現実化する日ならば、次にくる大災難の日は『2025年7月5日』ということになります」と日付を特定して記されていたことで、SNSを中心に大きな話題となりました。
同書は中国語版も発行され、特に香港では有名な風水師も日本での大地震を予言したため、訪日を控える動きが出ています。日本政府観光局が今月18日に発表した5月の訪日客数は5月としては過去最多を更新する一方、国・地域別で香港だけが減少しました。
著者本人は「7月5日」説を軌道修正
一方、たつき諒さんは6月に自伝「天使の遺言」(文芸社)を出版。「7月5日」の日付について、「7月の大災害」は取り下げていないものの、具体的な日付としていた「7月5日」について「何かが起きる日というわけではない」と軌道修正しています。
ただ、「7月5日」が近付くにつれ、日本国内で「私が見た未来 完全版」は売れ続けており、飛鳥新社によると、電子版を含めて106万部となっています。東京都内などでは電車の中吊り広告も目立ちます。
また、SNSでは、筆者が日付の特定は否定したものの、「大災難が起こるのでは」という疑心暗鬼がはびこっています。
SNSの感情
emogram編集部では、この話題に対するSNS上の感情を独自に分析しました。
感情分析の結果は以下の通りです。
主な「怒り」の声(65%)
「観光業、宿泊、航空交通系統…経営難や倒産の危機に陥ったりしているだろうに今さら他人事の様に話しても許される事ではない」
「この作者は本当に害悪。不確かな「夢」で根拠の無い予言を撒き散らし、人々の不安と混乱を煽っている」
「今更その軌道修正は無理だって。7月中に何かが起こるんでしょ?自分の力(笑)を最後まで信じ抜けよ」
主な「楽しむ」の声(15%)
「何が起こるかしらんけど、7月5日はワイの誕生日ってことは確かだから、みんな祝ってクレメンス」
「ノストラダムスの大予言もコンピューターの2000年問題も何もなかったじゃん」
「一年くらい先に伸ばせばまた本が売れるよwww それを何度か繰り返せば儲かりますねw」
「どうせなら、7月5日でも美味い物にありつけるとか臨時収入が入る予知夢を見たいです」
主な「哀しみ」の声(12%)
「これにブチ切れてるのは99年7月にノストラのおっさん信じて夏休みの宿題やんなかった当時の小学生だと思ってる」
「これを本気で信じてる身内がいるんですが…マジでやめて欲しい」
「みんな7/5に災害って本当に信じてるの?だとしたらびっくりしかないんだけど…」
「こんな一個人の夢日記が不安の備えに一役買うとは思えない」
主な「喜び」の声(8%)
「お陰様で追加で保存水、非常食、ライトなどを見直すきっかけになりました!!7月に何もなくともとりあえずはオッケーです」
「普段から防災意識持つのは、大切。その視点から言えば、この本は大変有意義(必要以上に恐れず)」
「高い関心は防災意識が高まっている証拠」
「たつき先生は最初から予言などと一言も言っていませんし、外れる事も多い、不思議な夢を見たから日記をつけだした」
まとめ
今回の分析では、たつきさんの予言に対し、東日本大震災を予知したこともあって多くの人からの関心を集めています。予言により「防災意識が高まった」というポジティブな意見がある反面、「不安と混乱を煽っている」というネガティブな意見までたくさんの反応が寄せられていました。
ライターコメント
筆者は、この予言のことを知ってはいましたが、「実際に関東を離れる」や「その日は仕事を休む」という意見があるのを目のあたりにして、これほどまで、この予言が浸透していることに驚きました。
実際に災害や災難が起きるかはわかりませんし、正直信じきれない部分もあります。
しかし、もしもの時のために避難場所や、災害バッグの中身を確認をしておくなど、いつ災害がきても後悔がないよう、今できる対策はしておきたいと思います。